会社法 条文 会社法 解説
第2編 株式会社

第1章 設立

第5節 設立時取締役等による調査
第46条 【設立時役員等の選任】

 @ 設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役。以下この条において同じ。)は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。

 1 第三十三条第十項第一号又は第二号に掲げる場合における現物出資財産等(同号に掲げる場合にあっては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること。

 2 第三十三条第十項第三号に規定する証明が相当であること。

 3 出資の履行が完了していること。

 4 前三号に掲げる事項のほか、株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。

 A 設立時取締役は、前項の規定による調査により、同項各号に掲げる事項について法令若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、発起人にその旨を通知しなければならない。

 B 設立しようとする株式会社が委員会設置会社である場合には、設立時取締役は、第一項の規定による調査を終了したときはその旨を、前項の規定による通知をしたときはその旨及びその内容を、設立時代表執行役(第四十八条第一項第三号に規定する設立時代表執行役をいう。)に通知しなければならない。
変態設立事項は検査役の調査が必要であるが(第33条第2項)、現物出資と財産引き受けについては、その価額が500万円を超えない場合、対象となる財産が市場価格のある有価証券(市場価格の方が定款に記載されている価額より多い場合に限る)、現物出資、財産引き受けが相当であることについて弁護士等の証明を受けた場合には、検査役の調査は不要とされている(不動産の場合は、不動産鑑定士の評価も必要)。

これらの場合、設立時取締役は、定款に記載・記録された財産価額や弁護士等の証明が相当であるかについて、調査しなければならない(本条第1項第1号と第2号)。また、出資の履行が完了しているか、会社の設立手続きが法令や定款に違反していないかを調査しなければならない(本条第3号と第4号)。

調査の結果、法令や定款の違反、不当な事項があった場合は、発起人にそれを通知しなければならない(本条第2項、第3項)。