会社法 条文 会社法 解説
第2編 株式会社

第3章 新株予約権

第2節 新株予約権の発行

第3款 募集新株予約権に係る払込み
第246条 【募集新株予約権に係る払込み】

 @ 第二百三十八条第一項第三号に規定する場合には、新株予約権者は、募集新株予約権についての第二百三十六条第一項第四号の期間の初日の前日(第二百三十八条第一項第五号に規定する場合にあっては、同号の期日。第三項において「払込期日」という。)までに、株式会社が定めた銀行等の払込みの取扱いの場所において、それぞれの募集新株予約権の払込金額の全額を払い込まなければならない。

 A 前項の規定にかかわらず、新株予約権者は、株式会社の承諾を得て、同項の規定による払込みに代えて、払込金額に相当する金銭以外の財産を給付し、又は当該株式会社に対する債権をもって相殺することができる。

 B 第二百三十八条第一項第三号に規定する場合には、新株予約権者は、募集新株予約権についての払込期日までに、それぞれの募集新株予約権の払込金額の全額の払込み(当該払込みに代えてする金銭以外の財産の給付又は当該株式会社に対する債権をもってする相殺を含む。)をしないときは、当該募集新株予約権を行使することができない。
株式会社において、株主は間接有限責任しか負わないため(第104条)、会社の債権者の担保となるのは会社財産だけである。そのため、会社の債権者が不測の損害を被らないよう、募集新株予約権の発行において、会社財産が充実するように新株予約権の出資が確実に履行される必要がある。

本条において、新株予約権者は、一定の期日までに払込金全額の払い込みをしなければならない。この期日までに払い込みをしない場合、新株予約権者は株主となる権利を失う。

また、新株予約権者は、株式会社の承諾を得て、金銭以外の財産によって払い込みをすることができる。これは株式の発行における現物出資と同様のものである。他方、新株予約権者は、会社の承諾を得て、株式会社に対する債権をもって履行債務と相殺することもできる。これは株式の発行の場合とは異なる。