会社法 条文 会社法 解説
第2編 株式会社

第5章 計算等

第5節 剰余金の配当等を決定する機関の特則
第459条 【剰余金の配当等を取締役会が決定する旨の定款の定め】

 @ 会計監査人設置会社(取締役の任期の末日が選任後一年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の日後の日であるもの及び監査役設置会社であって監査役会設置会社でないものを除く。)は、次に掲げる事項を取締役会(第二号に掲げる事項については第四百三十六条第三項の取締役会に限る。)が定めることができる旨を定款で定めることができる。

 1 第百六十条第一項の規定による決定をする場合以外の場合における第百五十六条第一項各号に掲げる事項

 2 第四百四十九条第一項第二号に該当する場合における第四百四十八条第一項第一号及び第三号に掲げる事項

 3 第四百五十二条後段の事項

 4 第四百五十四条第一項各号及び同条第四項各号に掲げる事項。ただし、配当財産が金銭以外の財産であり、かつ、株主に対して金銭分配請求権を与えないこととする場合を除く。

 A 前項の規定による定款の定めは、最終事業年度に係る計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合に限り、その効力を有する。

 B 第一項の規定による定款の定めがある場合における第四百四十九条第一項第一号の規定の適用については、同号中「定時株主総会」とあるのは、「定時株主総会又は第四百三十六条第三項の取締役会」とする。
会計監査人設置会社のうち、取締役の任期が終了する日をその選任後一年以内に行われる最初の決算期に関する定時総会の終結の日以前の日と定めている会社であって、かつ、監査役会設置会社または委員会設置会社である会社は、剰余金の配当を取締役会の決議によって定めることができる旨を定款で定めることができる。この場合でも、現物配当は可能であるが、株主に金銭分配請求権を与えない現物配当をする場合には、取締役会で決定することはできない。
第460条 【株主の権利の制限】

 @ 前条第一項の規定による定款の定めがある場合には、株式会社は、同項各号に掲げる事項を株主総会の決議によっては定めない旨を定款で定めることができる。

 A 前項の規定による定款の定めは、最終事業年度に係る計算書類が法令及び定款に従い株式会社の財産及び損益の状況を正しく表示しているものとして法務省令で定める要件に該当する場合に限り、その効力を有する。
第459条第1項各号の定款の定めがある場合、会社はそれらの事項を株主総会の決議によっては定めない旨を定款で定めることができる。この定款の定めは、第459条第1項各号についての取締役会の決定権を十分なものにすることに役立つことになる。ただし、この規定による定款の定めは、最終事業年度の計算書類が法令・定款に従い株式会社の財産・損益の状況を正しく表示しているもkのとして法務省令で定める要件に該当する場合に限り、その効力を有する。