会社法 条文 会社法 解説
第2編 株式会社

第8章 解散
第471条 【解散の事由】

 株式会社は、次に掲げる事由によって解散する。

 1 定款で定めた存続期間の満了

 2 定款で定めた解散の事由の発生

 3 株主総会の決議

 4 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。)

 5 破産手続開始の決定

 6 第八百二十四条第一項又は第八百三十三条第一項の規定による解散を命ずる裁判
解散とは、会社の法人格が消滅する法律事実である。解散事由は以下である。

・定款で定めた存続期間の満了
・定款で定めた解散事由の発生
・株主総会決議(特別決議)
・合併
・破産手続き開始の決定
・解散を命じる裁判

これらの事由が発生した場合、会社は営業活動を停止し、清算手続を開始することになる(第475条)。そして、清算手続が結了した時点で会社の法人格が消滅する(解散した時に、法人格が消滅するのではない)。
第472条 【休眠会社のみなし解散】

 @ 休眠会社(株式会社であって、当該株式会社に関する登記が最後にあった日から十二年を経過したものをいう。以下この条において同じ。)は、法務大臣が休眠会社に対し二箇月以内に法務省令で定めるところによりその本店の所在地を管轄する登記所に事業を廃止していない旨の届出をすべき旨を官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その二箇月の期間の満了の時に、解散したものとみなす。ただし、当該期間内に当該休眠会社に関する登記がされたときは、この限りでない。

 A 登記所は、前項の規定による公告があったときは、休眠会社に対し、その旨の通知を発しなければならない。
本条は、休眠会社のみなし解散についての規定である。休眠会社とは、その会社に関する登記が最後にあった日から12年を経過した株式会社のことである。12年間もの間、登記が行われていないということは、会社としての営業が行われていないに等しいと言えるためである。

法務大臣が休眠会社に対して、「2ヶ月以内に登記所に事業を廃止していないという届出をすべき」旨を官報に公告した場合において、休眠会社がこの届出をしないときは、2ヵ月後に会社は解散したものとみなされる。ただし、この間に登記があった場合は解散させられることはない。また、休眠会社が公告に気づかず、解散させるわけにはいかないため、公告があった場合、登記所は休眠会社に対してその旨の通知をしなければならない。
第473条 【株式会社の継続】

 株式会社は、第四百七十一条第一号から第三号までに掲げる事由によって解散した場合(前条第一項の規定により解散したものとみなされた場合を含む。)には、次章の規定による清算が結了するまで(同項の規定により解散したものとみなされた場合にあっては、解散したものとみなされた後三年以内に限る。)、株主総会の決議によって、株式会社を継続することができる。
株式会社が解散した場合であっても、株主総会の決議があれば、清算が結了するまで株式会社を継続することができる。清算が結了すれば会社の法人格は消滅する。
第474条 【解散した株式会社の合併等の制限】

 株式会社が解散した場合には、当該株式会社は、次に掲げる行為をすることができない。

 1 合併(合併により当該株式会社が存続する場合に限る。)

 2 吸収分割による他の会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継
解散した場合、会社は、合併、吸収分割による当該事業に関する権利義務の承継をすることはできない。解散した会社は営業活動を行うことができないため、これらの行為になじまないからである。