会社法 条文 会社法 解説
第2編 株式会社

第9章 清算

第1節 総則

第6款 清算事務の終了等
第507条 【清算事務の終了等】

 @ 清算株式会社は、清算事務が終了したときは、遅滞なく、法務省令で定めるところにより、決算報告を作成しなければならない。

 A 清算人会設置会社においては、決算報告は、清算人会の承認を受けなければならない。

 B 清算人は、決算報告(前項の規定の適用がある場合にあっては、同項の承認を受けたもの)を株主総会に提出し、又は提供し、その承認を受けなければならない。

 C 前項の承認があったときは、任務を怠ったことによる清算人の損害賠償の責任は、免除されたものとみなす。ただし、清算人の職務の執行に関し不正の行為があったときは、この限りでない。
清算株式会社は、清算事務が終了したときは、すぐに決算報告を作成しなければならない(第1項)。清算人会設置会社においては、第1項の決算報告は清算人会の承認を受ける必要がある(第2項)。そして、第1項の決算報告は株主総会に提出・提供し、承認を受ける必要がある(第3項)。会社の所有者である株主が最終的な責任を負うべきだからである。

第3項の株主総会の承認があったときは、清算人の任務懈怠による損害賠償責任は免除されたものとみなされる(第4項)。決算報告は清算事務の総括であるため、株主総会において承認があったということは、清算人の任務懈怠を許容したものとみなされるためである。ただし、清算人の職務執行に関して不正行為があったときは、清算人の責任は免除されない。