会社法 条文 会社法 解説
第3編 持分会社

第5章 計算等

第2節 会計帳簿
第615条 【会計帳簿の作成及び保存】

 @ 持分会社は、法務省令で定めるところにより、適時に、正確な会計帳簿を作成しなければならない。

 A 持分会社は、会計帳簿の閉鎖の時から十年間、その会計帳簿及びその事業に関する重要な資料を保存しなければならない。
持分会社は、会社の会計を正確に記録した会計帳簿を作成しなければならない。作成については、法務省令(会社法規則など)の定めによらなければならない(第1項)。

会計帳簿は、帳簿への記載を全て終わった時点から起算して10年間保存しなければならず、その間は帳簿以外の事業に関する重要な資料も保存しなければならない(第2項)。
第616条 【会計帳簿の提出命令】

 裁判所は、申立てにより又は職権で、訴訟の当事者に対し、会計帳簿の全部又は一部の提出を命ずることができる。
訴訟になった場合、A社がB社の会計帳簿を証拠として調べくれるように裁判所に申し立てをしたとき、裁判所はB社に対して会計帳簿を提出するように命じることができる。また、当事者の申し立てがない場合であっても、会計帳簿を提出するように命じることができる。

一般的に、民事訴訟の場合、判決の基礎をなす事実の主張や証拠調べの申し出は当事者の責任とされている(これを弁論主義という)。そのため、当事者が、証拠を調べるように申し出をしない限り、裁判所は職権で調べることは許されない(これを職権証拠調べという)。本条は、これらの例外である。