会社法 条文 会社法 解説
第3編 持分会社

第5章 計算等

第6節 出資の払戻し
第624条 【出資の払戻し】

 @ 社員は、持分会社に対し、既に出資として払込み又は給付をした金銭等の払戻し(以下この編において「出資の払戻し」という。)を請求することができる。この場合において、当該金銭等が金銭以外の財産であるときは、当該財産の価額に相当する金銭の払戻しを請求することを妨げない。

 A 持分会社は、出資の払戻しを請求する方法その他の出資の払戻しに関する事項を定款で定めることができる。

 B 社員の持分の差押えは、出資の払戻しを請求する権利に対しても、その効力を有する。
持分会社に出資し社員となった者は、出資した財産の払戻しを受けることができる。この場合、金銭以外の財産を出資した者は、金銭で払戻しを請求することができる(第1項)。

持分会社が出資の払戻しを行うと、会社の財産が減る。会社債権者にとっては、会社財産の減少は困るが、合名会社や合資会社は無限責任社員が会社債権者に対して個人財産で責任を負うため、債権者保護の観点からの問題はない。ただし、有限責任社員のみからなる合同会社の場合は、個人財産から支払ってもらうことはできないため、第632条において一定の制約が課せられている。

払戻しの方法などは、定款で規定することができる(第2項)。

また、債権者が社員の持分を差し押さえた場合、その効力は出資の払戻し請求権についても及ぶ(第3項)。