会社法 条文 会社法 解説
第7編 雑則

第2章 訴訟

第4節 特別清算に関する訴え
第857条 【役員等の責任の免除の取消しの訴えの管轄】

 第五百四十四条第二項の訴えは、特別清算裁判所(第八百八十条第一項に規定する特別清算裁判所をいう。次条第三項において同じ。)の管轄に専属する。
特別清算が開始された場合、清算株式会社は、対象役員等の責任の免除を取り消す訴えを起こすことができる(第544条)。この訴えは、特別清算裁判所(第880条第1項)で起こさなければならない。
第858条 【役員等責任査定決定に対する異議の訴え】

 @ 役員等責任査定決定(第五百四十五条第一項に規定する役員等責任査定決定をいう。以下この条において同じ。)に不服がある者は、第八百九十九条第四項の規定による送達を受けた日から一箇月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。

 A 前項の訴えは、これを提起する者が、対象役員等(第五百四十二条第一項に規定する対象役員等をいう。以下この項において同じ。)であるときは清算株式会社を、清算株式会社であるときは対象役員等を、それぞれ被告としなければならない。

 B 第一項の訴えは、特別清算裁判所の管轄に専属する。

 C 第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、役員等責任査定決定を認可し、変更し、又は取り消す。

 D 役員等責任査定決定を認可し、又は変更した判決は、強制執行に関しては、給付を命ずる判決と同一の効力を有する。

 E 役員等責任査定決定を認可し、又は変更した判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。
特別清算がされる場合、裁判所は必要があれば、対象役員等の責任に基づく損害賠償請求について、請求が認められるかどうか、認められるとしたらその額は幾らになるのかを査定する決定をすることができる(第545条)。

この査定決定について不服がある者は、一ヶ月以内であれば異議を申し立てることができる(本条第1項)。この訴えは、特別清算裁判所で起こさなければならない(本条第3項)。そして、裁判所は、査定決定をそのまま認めるか取り消すか、査定額を見直すか決めることとなる(本条第4項)。