会社法 条文 会社法 解説
第7編 雑則

第4章 登記

第2節 会社の登記
第1款 本店の所在地における登記

第911条 【株式会社の設立の登記】


 @ 株式会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。

 1 第四十六条第一項の規定による調査が終了した日(設立しようとする株式会社が委員会設置会社である場合にあっては、設立時代表執行役が同条第三項の規定による通知を受けた日)

 2 発起人が定めた日

 A 前項の規定にかかわらず、第五十七条第一項の募集をする場合には、前項の登記は、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。

 1 創立総会の終結の日

 2 第八十四条の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日

 3 第九十七条の創立総会の決議をしたときは、当該決議の日から二週間を経過した日

 4 第百条第一項の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日から二週間を経過した日

 5 第百一条第一項の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日

 B 第一項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。

 1 目的

 2 商号

 3 本店及び支店の所在場所

 4 株式会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め

 5 資本金の額

 6 発行可能株式総数

 7 発行する株式の内容(種類株式発行会社にあっては、発行可能種類株式総数及び発行する各種類の株式の内容)

 8 単元株式数についての定款の定めがあるときは、その単元株式数

 9 発行済株式の総数並びにその種類及び種類ごとの数

 10 株券発行会社であるときは、その旨

 11 株主名簿管理人を置いたときは、その氏名又は名称及び住所並びに営業所

 12 新株予約権を発行したときは、次に掲げる事項

  イ 新株予約権の数

  ロ 第二百三十六条第一項第一号から第四号までに掲げる事項

  ハ ロに掲げる事項のほか、新株予約権の行使の条件を定めたときは、その条件

  ニ 第二百三十六条第一項第七号並びに第二百三十八条第一項第二号及び第三号に掲げる事項

 13 取締役の氏名

 14 代表取締役の氏名及び住所(第二十二号に規定する場合を除く。)

 15 取締役会設置会社であるときは、その旨

 16 会計参与設置会社であるときは、その旨並びに会計参与の氏名又は名称及び第三百七十八条第一項の場所

 17 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)であるときは、その旨及び監査役の氏名

 18 監査役会設置会社であるときは、その旨及び監査役のうち社外監査役であるものについて社外監査役である旨

 19 会計監査人設置会社であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称

 20 第三百四十六条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは、その氏名又は名称

 21 第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがあるときは、次に掲げる事項

  イ 第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがある旨

  ロ 特別取締役の氏名

  ハ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨

 22 委員会設置会社であるときは、その旨及び次に掲げる事項

 イ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨

 ロ 各委員会の委員及び執行役の氏名

 ハ 代表執行役の氏名及び住所

 23 第四百二十六条第一項の規定による取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人の責任の免除についての定款の定めがあるときは、その定め

 24 第四百二十七条第一項の規定による社外取締役、会計参与、社外監査役又は会計監査人が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるときは、その定め

 25 前号の定款の定めが社外取締役に関するものであるときは、取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨

 26 第二十四号の定款の定めが社外監査役に関するものであるときは、監査役のうち社外監査役であるものについて、社外監査役である旨

 27 第四百四十条第三項の規定による措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表の内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの

 28 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め

 29 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項

 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの

 ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め

 30 第二十八号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨
株式会社は、本店所在地において設立登記をすることで成立が認められる(第49条)。設立登記には、本条第3項各号に規定されている事項を記載しなければならない。

設立登記は、以下のどちらか遅い方から2週間以内にしなければならない(本条第1項)。
・現物出資財産の価額が相当であるかの調査(第46条第1項)が終わった日
・発起人が決めた日

例えば、現物出資財産の価額が相当であるかの調査が5月1日に終わり、発起人が決めた日が5月7日だとすると、5月7日から2週間以内に設立登記をしなければならないということである。
第912条 【合名会社の設立の登記】

 合名会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。

 1 目的

 2 商号

 3 本店及び支店の所在場所

 4 合名会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め

 5 社員の氏名又は名称及び住所

 6 合名会社を代表する社員の氏名又は名称(合名会社を代表しない社員がある場合に限る。)

 7 合名会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所

 8 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め

 9 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項

 イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの

 ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め

 10 第八号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨
合名会社は、本店所在地で設立登記をすることで成立が認められる(第579条)。設立登記には、本条各号に規定されている事項を記載しなければならない。
第913条 【合資会社の設立の登記】

 合資会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。

 1 目的

 2 商号

 3 本店及び支店の所在場所

 4 合資会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め

 5 社員の氏名又は名称及び住所

 6 社員が有限責任社員又は無限責任社員のいずれであるかの別

 7 有限責任社員の出資の目的及びその価額並びに既に履行した出資の価額

 8 合資会社を代表する社員の氏名又は名称(合資会社を代表しない社員がある場合に限る。)

 9 合資会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所

 10 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め

 11 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項

  イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの

  ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め

 12 第十号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨
合資会社は、本店所在地で設立登記をすることで成立が認められる(第579条)。設立登記には、本条各号に規定されている事項を記載しなければならない。
第914条 【合同会社の設立の登記】

 合同会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記してしなければならない。

 1 目的

 2 商号

 3 本店及び支店の所在場所

 4 合同会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め

 5 資本金の額

 6 合同会社の業務を執行する社員の氏名又は名称

 7 合同会社を代表する社員の氏名又は名称及び住所

 8 合同会社を代表する社員が法人であるときは、当該社員の職務を行うべき者の氏名及び住所

 9 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め

 10 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項

  イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの

  ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定款の定めがあるときは、その定め

 11 第九号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨
合同会社は、本店所在地で設立登記をすることで成立が認められる(第579条)。設立登記には、本条各号に規定されている事項を記載しなければならない。
第915条 【変更の登記】

 @ 会社において第九百十一条第三項各号又は前三条各号に掲げる事項に変更が生じたときは、二週間以内に、その本店の所在地において、変更の登記をしなければならない。

 A 前項の規定にかかわらず、第百九十九条第一項第四号の期間を定めた場合における株式の発行による変更の登記は、当該期間の末日現在により、当該末日から二週間以内にすれば足りる。

 B 第一項の規定にかかわらず、次に掲げる事由による変更の登記は、毎月末日現在により、当該末日から二週間以内にすれば足りる。

 1 新株予約権の行使

 2 第百六十六条第一項の規定による請求(株式の内容として第百七条第二項第二号ハ若しくはニ又は第百八条第二項第五号ロに掲げる事項についての定めがある場合に限る。)
第911条第3項、第912条、第913条、第914条に規定されている会社の設立登記に記載しなければならない事項に変更があった場合、変更時から2週間以内に、本店所在地において変更登記をしなければならない(第1項)。

ただし、新株予約権の行使による変更登記や、取得請求権付株式の株主が会社に対して取得請求権付株式の取得を請求したことによる変更登記については、変更があった月の月末から2週間以内にすればよい(第3項)。
第916条 【他の登記所の管轄区域内への本店の移転の登記】

 会社がその本店を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、二週間以内に、旧所在地においては移転の登記をし、新所在地においては次の各号に掲げる会社の区分に応じ当該各号に定める事項を登記しなければならない。

 1 株式会社 第九百十一条第三項各号に掲げる事項

 2 合名会社 第九百十二条各号に掲げる事項

 3 合資会社 第九百十三条各号に掲げる事項

 4 合同会社 第九百十四条各号に掲げる事項
会社が本店を、設立登記をした登記所とは異なる登記所の管轄区域内に移転したときは、二週間以内に、以下のことをしなければならない。

・元の登記所:移転登記をしなければならない
・移転先の登記所:設立登記で記載した事項を改めて登記しなければならない
第917条 【職務執行停止の仮処分等の登記】

 次の各号に掲げる会社の区分に応じ、当該各号に定める者の職務の執行を停止し、若しくはその職務を代行する者を選任する仮処分命令又はその仮処分命令を変更し、若しくは取り消す決定がされたときは、その本店の所在地において、その登記をしなければならない。

 1 株式会社 取締役、会計参与、監査役、代表取締役、委員、執行役又は代表執行役

 2 合名会社 社員

 3 合資会社 社員

 4 合同会社 業務を執行する社員
本条をまとめると以下になる。

会社名 対象者
株式会社 ・取締役
・会計参与
・監査役
・代表取締役
・委員
・執行役
・代表執行役
合名会社 ・社員
合資会社 ・社員
合同会社 ・業務執行社員
※上記の者の、職務を執行する仮処分命令、職務の代行者を選任する仮処分命令が出た場合、本店所在地でそのことを登記しなければならない。
※また、仮処分命令の内容が変更された場合、仮処分命令が取り消された場合についても、本店所在地でそのことを登記しなければならない。
第918条 【支配人の登記】

 会社が支配人を選任し、又はその代理権が消滅したときは、その本店の所在地において、その登記をしなければならない。
会社が支配人を選任したとき、選任していた支配人の代理権が消滅したときは、本店所在地でそのことを登記しなければならない。
第919条 【持分会社の種類の変更の登記】

 持分会社が第六百三十八条の規定により他の種類の持分会社となったときは、同条に規定する定款の変更の効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、種類の変更前の持分会社については解散の登記をし、種類の変更後の持分会社については設立の登記をしなければならない。
持分会社は、定款変更により、他の種類の持分会社になることができる(第638条)。この場合、定款変更の効力が生じた日から2週間以内に、本店所在地において、変更前の持分会社の解散登記と、変更後の持分会社の設立登記をしなければならない。
第920条 【組織変更の登記】

 会社が組織変更をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、組織変更前の会社については解散の登記をし、組織変更後の会社については設立の登記をしなければならない。
会社が組織変更(第743条以下、第775条以下)をしたとき、効力が生じた日から2週間以内に、本店所在地において、組織変更前の会社の解散登記と、組織変更後の会社の設立登記をしなければならない。
第921条 【吸収合併の登記】

 会社が吸収合併をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、吸収合併により消滅する会社については解散の登記をし、吸収合併後存続する会社については変更の登記をしなければならない。
会社が吸収合併(第748条以下、第782条以下)をしたとき、効力が生じた日から2週間以内に、本店所在地において、吸収合併により消滅する会社の解散登記と、吸収合併後存続する会社の変更登記をしなければならない。
第922条 【新設合併の登記】

 @ 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併により設立する会社が株式会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設合併により消滅する会社については解散の登記をし、新設合併により設立する会社については設立の登記をしなければならない。

 1 新設合併により消滅する会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日

  イ 第八百四条第一項の株主総会の決議の日

  ロ 新設合併をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日

  ハ 第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日

  ニ 新設合併により消滅する会社が新株予約権を発行しているときは、第八百八条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日

  ホ 第八百十条の規定による手続が終了した日

  ヘ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日

 2 新設合併により消滅する会社が持分会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日

  イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書に規定する場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日)

  ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続が終了した日

  ハ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日

 3 新設合併により消滅する会社が株式会社及び持分会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日

 A 二以上の会社が新設合併をする場合において、新設合併により設立する会社が持分会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設合併により消滅する会社については解散の登記をし、新設合併により設立する会社については設立の登記をしなければならない。

 1 新設合併により消滅する会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日

  イ 第八百四条第二項の総株主の同意を得た日

  ロ 新設合併により消滅する会社が新株予約権を発行しているときは、第八百八条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日

  ハ 第八百十条の規定による手続が終了した日

  ニ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日

 2 新設合併により消滅する会社が持分会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日

  イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書に規定する場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日)

  ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続が終了した日

  ハ 新設合併により消滅する会社が合意により定めた日

 3 新設合併により消滅する会社が株式会社及び持分会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日
本条第1項は、新設される会社が株式会社である新設合併をする場合についての規定である。本条第2項は、新設される会社が持分会社である新設合併をする場合についての規定である。

第922条 消滅する会社が 説明
第1項 第1号 株式会社のみである場合 各号に規定された期間内に、本店所在地において、消滅する会社は解散登記、新設される株式会社は設立登記をしなければならない。
第2号 持分会社のみである場合
第3号 株式会社と持分会社である場合
第2項 第1号 株式会社のみである場合 各号に規定された期間内に、本店所在地において、消滅する会社は解散登記、新設される持分会社は設立登記をしなければならない。
第2号 持分会社のみである場合
第3号 株式会社と持分会社である場合
第923条 【吸収分割の登記】

 会社が吸収分割をしたときは、その効力が生じた日から二週間以内に、その本店の所在地において、吸収分割をする会社及び当該会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する会社についての変更の登記をしなければならない。
会社が吸収分割(第757条以下、第782条以下)をしたとき、吸収分割をする会社と権利義務を承継する会社は、吸収分割の効力が生じた日から2週間以内に、本店所在地で、変更登記をしなければならない。
第924条 【新設分割の登記】

 @ 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社が株式会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設分割をする会社については変更の登記をし、新設分割により設立する会社については設立の登記をしなければならない。

 1 新設分割をする会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日

  イ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百四条第一項の株主総会の決議の日

  ロ 新設分割をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日

  ハ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日

  ニ 第八百八条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日

  ホ 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日

  ヘ 新設分割をする株式会社が定めた日(二以上の株式会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする株式会社が合意により定めた日)

 2 新設分割をする会社が合同会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日

  イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書の場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日)

  ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日

  ハ 新設分割をする合同会社が定めた日(二以上の合同会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする合同会社が合意により定めた日)

 3 新設分割をする会社が株式会社及び合同会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日

 A 一又は二以上の株式会社又は合同会社が新設分割をする場合において、新設分割により設立する会社が持分会社であるときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、新設分割をする会社については変更の登記をし、新設分割により設立する会社については設立の登記をしなければならない。

 1 新設分割をする会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日

  イ 新設分割をする会社が株式会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日

  ロ 新設分割をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日

  ハ 第八百五条に規定する場合以外の場合には、第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日

  ニ 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日

  ホ 新設分割をする株式会社が定めた日(二以上の株式会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする株式会社が合意により定めた日)

 2 新設分割をする会社が合同会社のみである場合 次に掲げる日のいずれか遅い日

  イ 第八百十三条第一項の総社員の同意を得た日(同項ただし書の場合にあっては、定款の定めによる手続を終了した日)

  ロ 第八百十三条第二項において準用する第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日

  ハ 新設分割をする合同会社が定めた日(二以上の合同会社が共同して新設分割をする場合にあっては、当該二以上の新設分割をする合同会社が合意により定めた日)

 3 新設分割をする会社が株式会社及び合同会社である場合 前二号に定める日のいずれか遅い日
本条第1項は、新設される会社が株式会社である新設分割をする場合についての規定である。本条第2項は、新設される会社が持分会社である新設分割をする場合についての規定である。

第924条 新設分割する会社が 説明
第1項 第1号 株式会社のみである場合 各号に規定された期間内に、本店所在地において、新設分割する会社は変更登記、新設される株式会社は設立登記をしなければならない。
第2号 合同会社のみである場合
第3号 株式会社と合同会社である場合
第2項 第1号 株式会社のみである場合 各号に規定された期間内に、本店所在地において、新設分割する会社は変更登記、新設される持分会社は設立登記をそれぞれしなければならない。
第2号 合同会社のみである場合
第3号 株式会社と合同会社である場合
第925条 【株式移転の登記】

 一又は二以上の株式会社が株式移転をする場合には、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内に、株式移転により設立する株式会社について、その本店の所在地において、設立の登記をしなければならない。

 1 第八百四条第一項の株主総会の決議の日

 2 株式移転をするために種類株主総会の決議を要するときは、当該決議の日

 3 第八百六条第三項の規定による通知又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日

 4 第八百八条第三項の規定による通知を受けるべき新株予約権者があるときは、同項の規定による通知をした日又は同条第四項の公告をした日から二十日を経過した日

 5 第八百十条の規定による手続をしなければならないときは、当該手続が終了した日

 6 株式移転をする株式会社が定めた日(二以上の株式会社が共同して株式移転をする場合にあっては、当該二以上の株式移転をする株式会社が合意により定めた日)
株式移転(第772条以下)をする場合、本条第1号から第6号までの規定のうち一番遅い日から2週間以内に、株式移転により設立する株式会社について、その株式会社の本店所在地で、設立登記をしなければならない。
第926条 【解散の登記】

 第四百七十一条第一号から第三号まで又は第六百四十一条第一号から第四号までの規定により会社が解散したときは、二週間以内に、その本店の所在地において、解散の登記をしなければならない。
会社が以下の規定により解散したときは、2週間以内に本店所在地において解散登記をしなければならない。

・第471条第1号から第3号(株式会社)
・第641条第1号から第4号(持分会社)
第927条 【継続の登記】

 第四百七十三条、第六百四十二条第一項又は第八百四十五条の規定により会社が継続したときは、二週間以内に、その本店の所在地において、継続の登記をしなければならない。
株式会社は、定款で定めた存続期間の満了、定款で定めた解散事由の発生、株主総会決議のいずれかの理由により解散したときは、株主総会決議に基づいて清算が終わるまでは会社を継続させることができる(第473条)。

持分会社は、清算が終わるまで会社を継続させることを社員が同意した場合(第642条)、設立無効または取消しの原因が一部の社員だけにあり、他の社員は全員会社継続に同意した場合(第845条)は、会社が継続することになる。

これらの場合においては、2週間以内に本店所在地において、継続登記をしなければならない。
第928条 【清算人の登記】

 @ 第四百七十八条第一項第一号に掲げる者が清算株式会社の清算人となったときは、解散の日から二週間以内に、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない。

 1 清算人の氏名

 2 代表清算人の氏名及び住所

 3 清算株式会社が清算人会設置会社であるときは、その旨

 A 第六百四十七条第一項第一号に掲げる者が清算持分会社の清算人となったときは、解散の日から二週間以内に、その本店の所在地において、次に掲げる事項を登記しなければならない。

 1 清算人の氏名又は名称及び住所

 2 清算持分会社を代表する清算人の氏名又は名称(清算持分会社を代表しない清算人がある場合に限る。)

 3 清算持分会社を代表する清算人が法人であるときは、清算人の職務を行うべき者の氏名及び住所

 B 清算人が選任されたときは、二週間以内に、その本店の所在地において、清算株式会社にあっては第一項各号に掲げる事項を、清算持分会社にあっては前項各号に掲げる事項を登記しなければならない。

 C 第九百十五条第一項の規定は前三項の規定による登記について、第九百十七条の規定は清算人、代表清算人又は清算持分会社を代表する清算人について、それぞれ準用する。
会社が解散し、清算手続きが行われる場合、本店所在地において、清算人の氏名、代表清算人の氏名、住所等を登記しなければならない。
第929条 【清算結了の登記】

 清算が結了したときは、次の各号に掲げる会社の区分に応じ、当該各号に定める日から二週間以内に、その本店の所在地において、清算結了の登記をしなければならない。

 1 清算株式会社 第五百七条第三項の承認の日

 2 清算持分会社(合名会社及び合資会社に限る。) 第六百六十七条第一項の承認の日(第六百六十八条第一項の財産の処分の方法を定めた場合にあっては、その財産の処分を完了した日)

 3 清算持分会社(合同会社に限る。) 第六百六十七条第一項の承認の日
清算手続きが終わった場合、以下の日から2週間以内に本店所在地において、清算結了の登記をしなければならない。

・清算株式会社は、株主総会で承認された日
・清算持分会社は、社員の承認を受けた日
第2款 支店の所在地における登記

第930条 【支店の所在地における登記】


 @ 次の各号に掲げる場合(当該各号に規定する支店が本店の所在地を管轄する登記所の管轄区域内にある場合を除く。)には、当該各号に定める期間内に、当該支店の所在地において、支店の所在地における登記をしなければならない。

 1 会社の設立に際して支店を設けた場合(次号から第四号までに規定する場合を除く。) 本店の所在地における設立の登記をした日から二週間以内

 2 新設合併により設立する会社が新設合併に際して支店を設けた場合 第九百二十二条第一項各号又は第二項各号に定める日から三週間以内

 3 新設分割により設立する会社が新設分割に際して支店を設けた場合 第九百二十四条第一項各号又は第二項各号に定める日から三週間以内

 4 株式移転により設立する株式会社が株式移転に際して支店を設けた場合 第九百二十五条各号に掲げる日のいずれか遅い日から三週間以内

 5 会社の成立後に支店を設けた場合 支店を設けた日から三週間以内

 A 支店の所在地における登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。ただし、支店の所在地を管轄する登記所の管轄区域内に新たに支店を設けたときは、第三号に掲げる事項を登記すれば足りる。

 1 商号

 2 本店の所在場所

 3 支店(その所在地を管轄する登記所の管轄区域内にあるものに限る。)の所在場所

 B 前項各号に掲げる事項に変更が生じたときは、三週間以内に、当該支店の所在地において、変更の登記をしなければならない。
会社が、設立や新設合併、新設分割、株式移転において、本店のほかに支店も設けた場合、本店所在地で設立登記をした日から2週間以内に、支店所在地で支店の登記をしなければならない(第1項)。

支店の登記には、本条第2項各号の事項を記載しなければならない(第2項)。これらの事項について変更が生じたときは、3週間以内に、変更の登記をしなければならない(第3項)。
第931条 【他の登記所の管轄区域内への支店の移転の登記】

 会社がその支店を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、旧所在地(本店の所在地を管轄する登記所の管轄区域内にある場合を除く。)においては三週間以内に移転の登記をし、新所在地(本店の所在地を管轄する登記所の管轄区域内にある場合を除く。以下この条において同じ。)においては四週間以内に前条第二項各号に掲げる事項を登記しなければならない。ただし、支店の所在地を管轄する登記所の管轄区域内に新たに支店を移転したときは、新所在地においては、同項第三号に掲げる事項を登記すれば足りる。
本条は、支店を移転したときの登記についての規定である。

会社が支店を、A登記所の管轄区域内からB登記所の管轄区域内に移転した場合、以下の対応をとらなければならない。

・Aにおいて、3週間以内に移転登記をしなければならない
・Bにおいて、4週間以内に第930条第2項各号の事項を登記しなければならない
第932条 【支店における変更の登記等】

 第九百十九条から第九百二十五条まで及び第九百二十九条に規定する場合には、これらの規定に規定する日から三週間以内に、支店の所在地においても、これらの規定に規定する登記をしなければならない。ただし、第九百二十一条、第九百二十三条又は第九百二十四条に規定する変更の登記は、第九百三十条第二項各号に掲げる事項に変更が生じた場合に限り、するものとする。
会社の本店所在地で、持分会社の種類変更の登記や組織変更、吸収合併、清算結了の登記などをしなければならない場合、支店所在地でも、同じ登記をしなければならない。

ただし、吸収合併、吸収分割、新設分割についての変更の登記に関しては、商号・本店所在場所・支店所在場所のどれかが変更となったときにだけ登記すればよい。