会社法 条文 会社法 解説
第7編 雑則

第4章 登記

第3節 外国会社の登記
第933条 【外国会社の登記】

 @ 外国会社が第八百十七条第一項の規定により初めて日本における代表者を定めたときは、三週間以内に、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める地において、外国会社の登記をしなければならない。

 1 日本に営業所を設けていない場合 日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。以下この節において同じ。)の住所地

 2 日本に営業所を設けた場合 当該営業所の所在地

 A 外国会社の登記においては、日本における同種の会社又は最も類似する会社の種類に従い、第九百十一条第三項各号又は第九百十二条から第九百十四条までの各号に掲げる事項を登記するほか、次に掲げる事項を登記しなければならない。

 1 外国会社の設立の準拠法

 2 日本における代表者の氏名及び住所

 3 日本における同種の会社又は最も類似する会社が株式会社であるときは、第一号に規定する準拠法の規定による公告をする方法

 4 前号に規定する場合において、第八百十九条第三項に規定する措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表に相当するものの内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの

 5 第九百三十九条第二項の規定による公告方法についての定めがあるときは、その定め

 6 前号の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項

  イ 電子公告により公告すべき内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの

  ロ 第九百三十九条第三項後段の規定による定めがあるときは、その定め

 7 第五号の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨

 B 外国会社が日本に設けた営業所に関する前項の規定の適用については、当該営業所を第九百十一条第三項第三号、第九百十二条第三号、第九百十三条第三号又は第九百十四条第三号に規定する支店とみなす。

 C 第九百十五条及び第九百十八条から第九百二十九条までの規定は、外国会社について準用する。この場合において、これらの規定中「二週間」とあるのは「三週間」と、「本店の所在地」とあるのは「日本における代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地(日本に営業所を設けた外国会社にあっては、当該営業所の所在地)」と読み替えるものとする。

 D 前各項の規定により登記すべき事項が外国において生じたときは、登記の期間は、その通知が日本における代表者に到達した日から起算する。
外国会社が第817条第1項の規定により、初めて日本においての代表者を決めたとき、日本に営業所がない場合には日本での代表者の住所地で、日本に営業所がある場合には営業所の所在地で、3週間以内に、外国会社の登記をしなければならない(第1項)。

記載しなければならない事項は、会社の種類によって異なる。

似ている会社の種類 記載しなければならない事項が
規定されている条文
株式会社 第911条第3項各号
合名会社 第912条各号
合資会社 第913条各号
合同会社 第914条各号
※これらに加えて、本条第2項各号に規定されている事項も記載しなければならない。
※変更登記(第915条)、支配人登記(第918条)など、本条第4項に規定されている事項については、外国会社にも準用される。
第934条 【日本における代表者の選任の登記等】

 @ 日本に営業所を設けていない外国会社が外国会社の登記後に日本における代表者を新たに定めた場合(その住所地が登記がされた他の日本における代表者の住所地を管轄する登記所の管轄区域内にある場合を除く。)には、三週間以内に、その新たに定めた日本における代表者の住所地においても、外国会社の登記をしなければならない。

 A 日本に営業所を設けた外国会社が外国会社の登記後に日本に営業所を新たに設けた場合(その所在地が登記がされた他の営業所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内にある場合を除く。)には、三週間以内に、その新たに設けた日本における営業所の所在地においても、外国会社の登記をしなければならない。
日本に営業所を置いていない外国会社が、外国会社の登記(第933条)をした後に、日本での代表者を新しく選任したときは、3週間以内に、新しく選任された代表者の住所地で外国会社の登記をしなければならない(第1項)。

日本に営業所を置いている外国会社が、外国会社の登記をした後に、日本に営業所を新しく置いたときは、3週間以内に、新しい営業所の所在地で外国会社の登記をしなければならない(第2項)。
第935条 【日本における代表者の住所の移転の登記等】

 @ 日本に営業所を設けていない外国会社の日本における代表者が外国会社の登記後にその住所を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、旧住所地においては三週間以内に移転の登記をし、新住所地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。ただし、登記がされた他の日本における代表者の住所地を管轄する登記所の管轄区域内に住所を移転したときは、新住所地においては、その住所を移転したことを登記すれば足りる。

 A 日本に営業所を設けた外国会社が外国会社の登記後に営業所を他の登記所の管轄区域内に移転したときは、旧所在地においては三週間以内に移転の登記をし、新所在地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。ただし、登記がされた他の営業所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内に営業所を移転したときは、新所在地においては、その営業所を移転したことを登記すれば足りる。
日本に営業所を置いていない外国会社の日本での代表者が、外国会社の登記(第933条)をした後に、自分の住所を他の登記所の管轄区域内に移転させたときは、旧住所地では3週間以内に移転登記をし、さらに新住所地では4週間以内に外国会社の登記をしなければならない(第1項)。

日本に営業所を置いている外国会社が、外国会社の登記をした後に、営業所を他の登記所の管轄区域内に移転させたときは、営業所の旧所在地では3週間以内に移転登記をし、新所在地では4週間以内に外国会社の登記をしなければならない(第2項)。
第936条 【日本における営業所の設置の登記等】

 @ 日本に営業所を設けていない外国会社が外国会社の登記後に日本に営業所を設けたときは、日本における代表者の住所地においては三週間以内に営業所を設けたことを登記し、その営業所の所在地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。ただし、登記がされた日本における代表者の住所地を管轄する登記所の管轄区域内に営業所を設けたときは、その営業所を設けたことを登記すれば足りる。

 A 日本に営業所を設けた外国会社が外国会社の登記後にすべての営業所を閉鎖した場合には、その外国会社の日本における代表者の全員が退任しようとするときを除き、その営業所の所在地においては三週間以内に営業所を閉鎖したことを登記し、日本における代表者の住所地においては四週間以内に外国会社の登記をしなければならない。ただし、登記がされた営業所の所在地を管轄する登記所の管轄区域内に日本における代表者の住所地があるときは、すべての営業所を閉鎖したことを登記すれば足りる。
日本に営業所を置いていない外国会社が、外国会社の登記(第933条)をした後に日本に営業所を置いたときは、日本においての代表者の住所地で3週間以内に営業所を設けたことを登記し、さらに営業所の所在地において4週間以内に外国会社の登記をしなければならない(第1項)。

日本に営業所がある外国会社が、外国会社の登記をした後に日本での営業所を全て閉鎖した場合、営業所の所在地において3週間以内に営業所を閉鎖したことを登記し、さらに日本での代表者の所在地において4週間以内に外国会社の登記をしなければならない(第2項)。