憲法 条文 憲法 解説
第2章 戦争の放棄(Chapter 2:)
第9条

 @ 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

 A 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
第1項は、国際紛争解決の手段として、以下の三つを永久に放棄すると規定している。

・国権の発動たる戦争
・武力による威嚇
・武力の行使

戦争は武力行使を伴うものであり、武力行使は心理的には武力による威嚇となるなる。三つに分ける必要はなく、戦争だけを放棄すれば良いように見えるが、これらは法的には異なるため、三つに分けられている。

名前 説明
戦争 開戦に関する条約に従って宣戦布告や最後通牒を行ってする国際法上認められた正式の戦争のことである。全ての独立主権国家は、主権・国権の発動として戦争する権利が認められている。
武力による威嚇 相手国の領土・領海・領空を侵犯せず、自国内で行う軍事演習により、相手国を武力で威嚇することをいう。例えば、対支二十一カ条などである。
武力の行使 国際法上認められた正式の戦争ではなく、事実上の戦争のことである。○○事変などと呼ばれることが多い。例えば、満州事変などである。


第2項では、第1項の目的を達成するために、陸海空軍その他の戦力は保持しない、国の交戦権を認めないと規定している。


第1項と第2項においては、制裁や自衛のための戦争や武力行使までを放棄する部分は規定されていない。そのため、自衛隊は違憲ではないというのが、政府の解釈である。しかし、この解釈には様々な問題があり、現在でも議論されているところである。
Article 9

1) Aspiring sincerely to an international peace based on justice and order, the Japanese people forever renounce war as a sovereign right of the nation and the threat or use of force as means of settling international disputes.

2) In order to accomplish the aim of the preceding paragraph, land, sea, and air forces, as well as other war potential, will never be maintained. The right of belligerency of the state will not be recognized.
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