労働基準法 条文 労働基準法 解説
別表
別表第一 (第三十三条、第四十条、第四十一条、第五十六条、第六十一条関係)

1 物の製造、改造、加工、修理、洗浄、選別、包装、装飾、仕上げ、販売のためにする仕立て、破壊若しくは解体又は材料の変造の事業(電気、ガス又は各種動力の発生、変更若しくは伝導の事業及び水道の事業を含む。)

2 鉱業、石切り業その他土石又は鉱物採取の事業

3 土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊、解体又はその準備の事業

4 道路、鉄道、軌道、索道、船舶又は航空機による旅客又は貨物の運送の事業

5 ドック、船舶、岸壁、波止場、停車場又は倉庫における貨物の取扱いの事業

6 土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業

7 動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他の畜産、養蚕又は水産の事業

8 物品の販売、配給、保管若しくは賃貸又は理容の事業

9 金融、保険、媒介、周旋、集金、案内又は広告の事業

10 映画の製作又は映写、演劇その他興行の事業

11 郵便、信書便又は電気通信の事業

12 教育、研究又は調査の事業

13 病者又は虚弱者の治療、看護その他保健衛生の事業

14 旅館、料理店、飲食店、接客業又は娯楽場の事業

15 焼却、清掃又はと畜場の事業
別表第一は、1998年の労働基準法改正で第8条が削除された際に作られた。理由は、第8条には該当しない事業が出てくる可能性があったためなどである。

別表第一と関連する条文は、以下である。
条文 内容
第33条 災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等
第40条 労働時間及び休憩の特例
第41条 労働時間等に関する規定の適用除外
第56条 最低年齢
第61条 深夜業


労働基準法は基本的に、一人以上の労働者を使用する全事業・全事務所に適用される(この場合、経営全体ではなく個々の事業場単位に適用される。また、外国人の経営する事業場にも適用される)。

しかし、事業の種類によっては、労働のあり方が違うため、労働基準法では事業を15に分類し、労働基準法の適用の仕方を区別している。


実際、労働者の仕事が別表第一のどれにあたるのかの判断方法は難しい。例えば、ある鉄道会社があったとして、その会社の鉄道部門で働く人は第4号の運送事業にあたるが、その会社が経営する病院で働く人は第4号とは全く違う仕事になる。

通達(昭和22年9月13日発基17号、昭和23年3月31日基発511号、昭和33年2月13日基発90号)では、事業の区別については、まずはじめに場所を中心にして判断するとしている。つまり、同一の場所にある場合は原則として一個の事業とし、場所が違う場合は別の事業とする。

しかし、この判断方法には例外がある。同一場所でも、著しく労働のあり方が違う場合、例えば自動車工場とその工場にある診療所や食堂などの場合は、労働者や労務管理などが明確に区別され、第1号の製造業と第13号の保健衛生事業と第14号の飲食事業に分けた方が、労働基準法がより適切に運用できる場合には、別々の独立事業とみなす。

また、場所が違う場合であっても、出張所や支所などのように規模が著しく小さく、組織的関連や事務能力から見て一事業というほどの独立性がない場合は、直近上位の事業と一括して一つの事業として取り扱う。
別表第二 身体障害等級及び災害補償表(第七十七条関係)

等級 災害補償
第一級 一三四〇日分
第二級 一一九〇日分
第三級 一〇五〇日分
第四級 九二〇日分
第五級 七九〇日分
第六級 六七〇日分
第七級 五六〇日分
第八級 四五〇日分
第九級 三五〇日分
第一〇級 二七〇日分
第一一級 二〇〇日分
第一二級 一四〇日分
第一三級 九〇日分
第一四級 五〇日分
別表第二と関連する条文は、労働基準法第77条である。労働者が、業務上において、けがや病気をして、その後治ったにしても、身体に障害が残っている場合には、使用者は障害補償をしなければならない。その時に、補償しなければならない金額等の計算は、この表によって行われる。
別表第三 分割補償表(第八十二条関係)


種別 等級 災害補償
障害補償 第一級 二四〇日分
第二級 二一三日分
第三級 一八八日分
第四級 一六四日分
第五級 一四二日分
第六級 一二〇日分
第七級 一〇〇日分
第八級 八〇日分
第九級 六三日分
第一〇級 四八日分
第一一級 三六日分
第一二級 二五日分
第一三級 一六日分
第一四級 九日分
遺族補償 一八〇日分
別表第三と関連する条文は、第82条の分割補償である。

分割補償とは、障害補償(第77条)と遺族補償(第79条)は金額が大きいため、平均賃金に別表第三の日数を乗じた金額を、6年間毎年補償するというものである。この場合は、以下の二点の要件が必要である。

・使用者に支払い能力があることを証明すること
・補償を受ける者の同意があること

また、分割補償を開始した後でも、補償を受ける者の同意があれば、残額を一度に支払うことができる(分割補償をやめて、普通に支払うということである)。
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