商法 条文 商法 解説
第2編 商行為

第10章 保険

第1節 損害保険

第1款 総則
保険は、危険を共通にする多数人が集合し、合理的な計算に基づき拠金をし積み立て、多数人の誰かが一定の偶然的事故にあった場合に、積み立てられた金額の中から、その者に契約金額(保険金)を与えるという仕組みである。

商法では、保険を事業として経営している者が、営利目的でやっている場合について規定している。

損害保険契約の契約種類は以下の表を参照。
種類 説明
諾成契約 当事者の合意だけで成立する契約
有償契約 当事者双方が経済的出捐をなす契約
双務契約 当事者双方が債務を負担し、それが互いに対価的意義を有する契約

名前 簡単な説明
保険契約者 保険料を支払う者
保険者 保険金を支払う者
被保険者 保険の対象となる者
第629条 【損害保険契約】

 損害保険契約ハ当事者ノ一方カ偶然ナル一定ノ事故ニ因リテ生スルコトアルヘキ損害ヲ填補スルコトヲ約シ相手方カ之ニ其報酬ヲ与フルコトヲ約スルニ因リテ其効力ヲ生ス
「損害保険契約は、当事者の一方(保険者)が、偶然に起こる一定の事故によって生ずるかもしれない損害をおぎなうということを約束し、相手方(保険契約者)が保険料を払うことを約束することによって、法律上の効力を生じる。」

本条は損害保険契約の定義についての規定である。ポイントは、損害保険契約は、当事者の約束により契約が成立するということである。実際に、保険料が支払われないと契約が成立しないということではない。契約の約款に、保険料の支払いがあるまで保険者の責任が開始しないと定められているが、これは保険期間の始期についての定めと考えられている(最高裁昭和37年6月12日)。

条文中の「偶然」とは、契約の成立時に事故の発生可能性があるが、発生するかどうかは明らかではないことを言う。また、「一定」とは、ある標準に従って保険事故の範囲を限定することをいう、盗難保険であれば盗難、車両保険であれば交通事故などである。

ただし、「偶然ナル一定ノ事故」には、賭博のように、反倫理性の強いものは含まれない。

また、損害保険は、保険者が保険を支払う義務を負うか否かは、保険事故が発生するか否かという偶然にあるため、射倖契約と呼ばれることもある。
第630条 【保険契約の目的】

 保険契約ハ金銭ニ見積ルコトヲ得ヘキ利益ニ限リ之ヲ以テ其目的ト為スコトヲ得
「保険契約は、金銭で見積もることができる利益に限って、これを契約の対象とすることができる。」

金銭的に見積もることができる利益のことを、被保険利益という。これは偶然の事故が起こった場合に、被保険者(保険金の支払いを受ける人)が失う可能性のある利益である。
内容
被保険利益になるもの ・客観的に金銭で見積もることができる利益
・適法である
・確定する(損害額が確定する)
被保険利益とはならないもの ・客観的に金銭で見積もることができない主観的な利益
・適法でない
・確定しない(損害額がはっきり確定しない)
第631条 【超過部分の無効】

 保険金額カ保険契約ノ目的ノ価額ニ超過シタルトキハ其超過シタル部分ニ付テハ保険契約ハ無効トス
「保険金額が、その契約の対象とした財産の価額を超えた額であるときは、超えた部分については保険契約を無効とする。」

以下の表を参照。
名前 説明
被保険利益 偶然の事故が起こった場合に、
被保険者(保険金の支払いを受ける人)が
失う可能性のある利益
保険価額 被保険利益の評価額
保険金額 保険者が支払うと約束した金額
超過保険 保険金額が保険価額より多い場合、その多い部分
※保険金額が120で、保険価額が100だった場合、20が超過保険となり、20は無効となる。
第632条 【同時重複契約】

 @ 同一ノ目的ニ付キ同時ニ数箇ノ保険契約ヲ為シタル場合ニ於テ其保険金額カ保険価額ニ超過シタルトキハ各保険者ノ負担額ハ其各自ノ保険金額ノ割合ニ依リテ之ヲ定ム

 A 数箇ノ保険契約ノ日附カ同一ナルトキハ其契約ハ同時ニ為シタルモノト推定ス
「@ 同じ財産を対象として、同時に二つ以上の保険契約をした場合、保険金額の総額が保険価額を超えるとき、各保険者(保険金を支払う者)の負担額は、保険金額の割合に応じて計算する。

A 二つ以上の保険契約の契約日付が同じときは、それらの契約は同時に結んだものと推定する。」

第632条は同時重複契約についての規定であり、第633条は異時重複契約についての規定である。ただし、保険の約款などがあるため、実際的には、各保険者は他の保険契約がなかったなら負担したであろう額をまず算出し、この算出額に比例して損害額を分担するものとしているため、同時か異時かという区別はしていないことが多い。


以下の表を参照。
同時重複保険(第632条)
名前 具体例
保険価額 100万円
保険金額 ・A保険 100万円
・B保険 100万円

A:B=1:1
超過保険 100万円(200万円−100万円)
法律上の効力 超過部分の100万円は無効となる。
Aの保険者とBの保険者は、
50万円ずつ被保険者に支払う。
※同時に二つ以上の保険を契約した場合についての規定である。同時というのがポイントである。
第633条 【異時重複契約】

 相次テ数箇ノ保険契約ヲ為シタルトキハ前ノ保険者先ツ損害ヲ負担シ若シ其負担額カ損害ノ全部ヲ填補スルニ足ラサルトキハ後ノ保険者之ヲ負担ス
「同じ財産を対象として、時期をずらして二つ以上の保険契約をした場合、はじめの方の保険者がまず保険金を支払う。損害全部をうめることができない場合は、次に契約した保険者が保険金を支払う。」

異時重複保険(第633条)
名前 具体例 その1 具体例 その2
保険価額 100万円 100万円
保険金額 ・A保険 100万円
・B保険 100万円

A保険がはじめに契約された保険である。
・A保険 80万円
・B保険 80万円

A保険がはじめに契約された保険である。
超過保険 100万円(200万円−100万円) 60万円(160万円−100万円)
法律上の効力 まずはじめにA保険が100万円の保険金を支払う。これで保険価額は全てうめたので、B保険の支払いはゼロである。 まずはじめにA保険が80万円の保険金を支払う。次にB保険が20万円を支払う。
※本条は時期がずれた異時についての規定である。
第634条 【重複保険の例外】

 保険価額ノ全部ヲ保険ニ付シタル後ト雖モ左ノ場合ニ限リ更ニ保険契約ヲ為スコトヲ得

 1 前ノ保険者ニ対スル権利ヲ後ノ保険者ニ譲渡スコトヲ約シタルトキ

 2 前ノ保険者ニ対スル権利ノ全部又ハ一部ヲ抛棄スヘキコトヲ後ノ保険者ニ約シタルトキ

 3 前ノ保険者カ損害ノ填補ヲ為ササルコトヲ条件トシタルトキ
「保険価額の全部に保険をかけた後でも、次の1から3までの場合に限って、さらに保険契約をすることができる。

1 保険契約者が、はじめの保険者に対して持っている権利を次の保険者に譲渡することを約束したとき

2 保険契約者が、はじめの保険者に対して持っている権利の全部またはその一部を放棄することを、次の保険者に約束したとき

3 はじめの保険者が損害をおぎなわなかった場合にだけ、次の保険者が保険金を支払うという条件をつけたとき」

本条はたとえば、保険者の支払い能力に不安がある場合などについての規定である。
第635条 【重複保険の一部放棄】

 同時ニ又ハ相次テ数箇ノ保険契約ヲ為シタル場合ニ於テ保険者ノ一人ニ対スル権利ノ抛棄ハ他ノ保険者ノ権利義務ニ影響ヲ及ホサス
「同時にまたは時期をずらして二つ以上の保険契約をした場合において、保険契約者が保険者の一人に対して権利の放棄をしたとしても、他の保険者の権利義務には影響を与えない。」

本条は、例えば、ある保険契約者が同じ財産に対して、A保険をまずに契約し、その後でB保険を契約したとする。この時点ですでに超過保険などの関係が成立していることになり、後に保険契約者がA保険の権利を放棄したとしても、B保険の保険契約者に対する支払い金額などに変更はない。

ただし、第634条の第2号の場合は別である。
第636条 【一部保険】

 保険価額ノ一部ヲ保険ニ付シタル場合ニ於テハ保険者ノ負担ハ保険金額ノ保険価額ニ対スル割合ニ依リテ之ヲ定ム
「保険価額の一部についてだけ保険がかけられた場合、保険者の負担は保険金額の保険価額に対する割合により決まる。」

保険料の節約のためなどの理由で、保険金額が保険価額に達しない場合についての規定である。このような場合を一部保険という。

保険価額の全てが
滅失した場合
保険価額の半分が
滅失した場合
保険価額 100万円 100万円
保険金額 80万円 80万円
法律上の効力 保険金額の80万円が
支払われる。
40万円だけ支払われる。

計算方法は次のように行う。
(保険金額/保険価額)×損害額
第637条 【保険価額が著しく減少した場合】

 保険価額カ保険期間中著シク減少シタルトキハ保険契約者ハ保険者ニ対シテ保険金額及ヒ保険料ノ減額ヲ請求スルコトヲ得但保険料ノ減額ハ将来ニ向テノミ其効力ヲ生ス
「保険価額が保険期間中に著しく減少したときは、保険契約者は保険者に対して、保険金額および保険料の減額を請求することができる。ただし、保険料の減額はその請求をした時以後のものについてである。」

保険契約は長期契約であることが多く、その間に保険価額に変更があったりすることも珍しくない。保険価額がかなり減少しいているような状態で保険事故が発生した場合、減少した保険価額を標準として算定される損害額に応じてのみ保険金を受けられる(第638条第1項)だけであるため、減少する前の契約条件で保険料を支払っているのは保険契約者にとって損なことである。

そのため、本条の規定により、保険契約者からの一方的な請求により、保険金額と保険料の減額を請求できることとしている(これを形成権という)。
第638条 【損害額の計算】

 @ 保険者カ填補スヘキ損害ノ額ハ其損害カ生シタル地ニ於ケル其時ノ価額ニ依リテ之ヲ定ム

 A 前項ノ損害額ヲ計算スルニ必要ナル費用ハ保険者之ヲ負担ス
「@ 保険者がおぎなう損害額は、その損害が生じた場所における保険価額によって決まる。

A @の損害額を計算するための費用は、保険者が負担する。」

本条は原則であり、実際的には、手間を省くため、当事者間で保険価額を協定していることもある。運送保険(第670条)や海上保険(第818条、第819条)などでは、特別規定がある。
第639条 【当事者で保険価額を決めた場合】

 当事者カ保険価額ヲ定メタルトキハ保険者ハ其価額ノ著シク過当ナルコトヲ証明スルニ非サレハ其填補額ノ減少ヲ請求スルコトヲ得ス
「保険契約者と保険者が保険価額を決めたときは、保険者は保険価額が著しく高いということを証明しなければ、支払う保険金額の減少を請求することができない。」

保険契約をする当事者は、保険契約時に、保険価額を協定することができ(協定保険価額)、この場合、当事者の合意に拘束力が生じる(この保険契約を評価済保険という)。ただし、これは絶対的というものではなく、保険事故が発生した際において、保険者が保険価額が著しく高いということを立証すれば、その額を減少させることができるとしたのが本条の規定である。
第640条 【保険者が保険金を支払わなくてもよい場合】

 戦争其他ノ変乱ニ因リテ生シタル損害ハ特約アルニ非サレハ保険者之ヲ填補スル責ニ任セス
「戦争、事変、内乱などによって生じた損害の場合、保険者は保険金を支払う責任はない。ただし、特約などでそのような場合でも支払うとされている場合は別である。」

保険は、普通の事情による平均的危険を基礎として保険料を決めるものである。戦争などは統計的に予測することが不可能であり、普通の保険料ではこれらの危険をカバーすることは難しい。

ただし、そのような危険もカバーするような特約がついている場合は、支払われる(普通の保険料よりも高くなる)。
第641条 【保険者が保険金を支払わなくてもよい場合】

 保険ノ目的ノ性質若クハ瑕疵、其自然ノ消耗又ハ保険契約者若クハ被保険者ノ悪意若クハ重大ナル過失ニ因リテ生シタル損害ハ保険者之ヲ填補スル責ニ任セス
「保険の対象となる物の性質、瑕疵、自然消耗、または保険契約者か被保険者の悪意もしくか重大な過失によって生じた損害は、保険者はその損害をおぎなう責任はない。」

本条は二つの異なる免責事由についての規定である。保険の対象となる物の性質や瑕疵などによる損害は、偶然な事故による損害とは言えないため、保険者は責任を負わない。また、保険契約者や被保険者の悪意や重大過失の場合は、反倫理性のゆえに保険者は責任を負わない。

ただ、昨今は注意義務が加重され、重過失と認定されるケースが増えていることから、特約などをもうけて重過失の場合でも保険金が支払われるという場合も多い(自動車の責任保険など)。
第642条 【生じないような事故やすでに生じた事故】

 保険契約ノ当時当事者ノ一方又ハ被保険者カ事故ノ生セサルヘキコト又ハ既ニ生シタルコトヲ知レルトキハ其契約ハ無効トス
「保険契約を結んだとき、保険者・保険契約者・被保険者の誰かが、事故が生じないことまたはすでに事故が生じていたことを知っていた場合は、その契約を無効とする。」

特約などで、知っていたか知っていなかったかに関わらず、事故が生じえないものであったりすでに生じていた場合は、無効とすることができる。
第643条 【契約無効の効果】

 保険契約ノ全部又ハ一部カ無効ナル場合ニ於テ保険契約者及ヒ被保険者カ善意ニシテ且重大ナル過失ナキトキハ保険者ニ対シテ保険料ノ全部又ハ一部ノ返還ヲ請求スルコトヲ得
「保険契約の全部または一部が無効である場合、保険契約者および被保険者がともに無効の原因となった事実について善意(知らなかった)であり、重大な過失がなかったときは、保険者に対して、保険料の全部または一部の返還を請求することができる。」

保険契約が無効となるような場合は、第642条、第648条、民法第95条、民法第90条などが考えられる。

無効となった場合に、保険料を返還するとき、民法などでは以下の表のようになるが、商法で修正が加えられている。
条文 保険者 保険契約者 被保険者
民法第703条 善意の場合、利益が残っていれば、その利益の範囲内で返還しなければならない。
民法第704条 悪意の場合、利益と、利益に利息をつけて、返還しなければならない。また、損害をかけていれば、その賠償もしなければならない。
民法第705条 悪意の場合、非債弁済にあたり、返還を請求することはできない。
商法第643条(本条) 善意で重過失がない場合、保険者に保険料の返還を請求することができる
※善意とは保険契約が無効であることを知らないこと。悪意とは保険契約が無効であることを知っていたこと。
※民法の場合は利益である。商法の場合は保険料である(商法のほうが保険者にとって厳しい。また、保険契約者と被保険者にとっては善意であることに加えて、重過失がないことも必要となり厳しい)。
第644条 【保険者の解除権】

 @ 保険契約ノ当時保険契約者カ悪意又ハ重大ナル過失ニ因リ重要ナル事実ヲ告ケス又ハ重要ナル事項ニ付キ不実ノ事ヲ告ケタルトキハ保険者ハ契約ノ解除ヲ為スコトヲ得但保険者カ其事実ヲ知リ又ハ過失ニ因リテ之ヲ知ラサリシトキハ此限ニ在ラス

 A 前項ノ解除権ハ保険者カ解除ノ原因ヲ知リタル時ヨリ一个月間之ヲ行ハサルトキハ消滅ス契約ノ時ヨリ五年ヲ経過シタルトキ亦同シ
「@ 保険契約を結ぶとき、保険契約者がわかっているのに、または、重大な過失により、重要な事実についてウソをついたときは、保険者は契約を解除することができる。ただし、保険者がウソであることをわかっていたとき、または、過失によりわからなかったときは、契約を解除することはできない。

A @の契約の解除権は、保険者が解除の原因を知ったときから1ヶ月の間に行わないと消滅する。また、契約のときから5年経過した場合も消滅する。」

本条は告知義務についての規定である。告知義務とは、保険契約を結ぶとき、保険契約者が重要な事実をウソをつかずに告げなければならない義務のことである。重要な事実とは、保険者の事故発生の可能性の大小の測定に関することであり、例えば、損害保険であれば目的物の使用目的、場所、性質などであり、生命保険であれば被保険者の既往症などのことである。

告知義務であるにもかかわらず、告知義務ではないと考えて告知しなかった場合にも、告知義務違反となる。

Aには、解除権を行使できる期間が定められている。ただし、告知義務違反の事実が詐欺(民法第96条)の場合は、Aの期間が過ぎていたとしても、取り消しができると考えられている。
第645条 【契約解除の効力】

 @ 前条ノ規定ニ依リ保険者カ契約ノ解除ヲ為シタルトキハ其解除ハ将来ニ向テノミ其効力ヲ生ス

 A 保険者ハ危険発生ノ後解除ヲ為シタル場合ニ於テモ損害ヲ填補スル責ニ任セス若シ既ニ保険金額ノ支払ヲ為シタルトキハ其返還ヲ請求スルコトヲ得但保険契約者ニ於テ危険ノ発生カ其告ケ又ハ告ケサリシ事実ニ基カサルコトヲ証明シタルトキハ此限ニ在ラス
「@ 第644条の規定により、保険者の契約解除権は、将来効である。

A 保険者は、事故発生の後に、契約を解除した場合でも、その損害をおぎなう責任はない。もし、保険金額をすでに支払っていた場合は、その返還を請求することができる。ただし、保険契約者のほうで、事故発生の原因が、重要な事実とは無関係であることを証明したときは、返還の請求はできない。」

@はつまり、保険者は保険契約者に対して保険料を返還する必要はなく、その保険料を受け取ることができるということである。Aは、保険者は保険契約者に保険金の返還を請求することができるということである。@は将来効であり、Aは遡及的であるため、矛盾している。これは、本条が告知義務違反を犯した保険契約者に対するペナルティのための規定だからである。
第646条 【保険料の減額】

 保険契約ノ当事者カ特別ノ危険ヲ斟酌シテ保険料ノ額ヲ定メタル場合ニ於テ保険期間中其危険カ消滅シタルトキハ保険契約者ハ将来ニ向テ保険料ノ減額ヲ請求スルコトヲ得
「保険契約の当事者が、特別の危険を考慮して、保険料を決めた場合において、保険期間中にその危険が消滅したときは、保険契約者は将来に向かって保険料の減額を請求することができる。」

原則的に、保険期間中の危険変動は、契約上の法律関係に影響を及ぼさない。しかし、特別の危険が原因で設定された保険料は、その特別の危険が消滅してしまった場合は、保険料の見直しができる。特別の危険とは、戦争などのことである。戦争が終わってしまえば、割高に支払っていた保険料を減額請求できる。
第647条 【他人のための保険契約】

 保険契約ハ他人ノ為メニモ之ヲ為スコトヲ得此場合ニ於テハ保険契約者ハ保険者ニ対シ保険料ヲ支払フ義務ヲ負フ
「保険契約は第三者の損害をおぎなうためにも、契約することができる。この場合、保険契約者は保険者に対して保険料を支払う義務を負う。」

生命保険などの場合は、他人のために契約することが普通である。損害保険の場合は、倉庫業者などが、他人の物を保管しているため、所有者を被保険者として、保険をかける場合がある。

通常の損害保険と他人のための損害保険の違い
名前 通常の損害保険 他人のための損害保険
保険契約 保険者と保険契約者 保険者と保険契約者
保険料支払い義務 保険契約者 保険契約者
保険金支払い義務 保険者 保険者
保険金請求権 保険契約者 被保険者
※保険者とは、つまり保険会社のことで、保険金を支払う者である。
※保険契約者とは、保険料を支払う者のことで、通常であれば被保険利益(保険金を受け取ることができる)をもつ。
※被保険者とは、被保険利益(保険金を受け取ることができる)を持つ者のことである。
第648条 【他人のための保険契約】

 保険契約者カ委任ヲ受ケスシテ他人ノ為メニ契約ヲ為シタル場合ニ於テ其旨ヲ保険者ニ告ケサルトキハ其契約ハ無効トス若シ之ヲ告ケタルトキハ被保険者ハ当然其契約ノ利益ヲ享受ス
「保険契約者が、第三者からの委任を受けずに、第三者のために保険契約を結んだ場合、そのことを保険者に伝えなかったときは、契約が無効となる。もし、そのことを伝えていたときは、被保険者は保険金を受け取ることができる。」

民法では、第537条第2項にあるように、受益の意思表示が必要であるが、本条によりその意思表示などはなくても被保険者は利益を受けることができる。ただし、保険契約を結ぶときに、保険契約者は委任を受けていないということを保険者に伝えなければならない。これは、不正な詐欺行為などが多いためである。
第649条 【保険証券】

 @ 保険者ハ保険契約者ノ請求ニ因リ保険証券ヲ交付スルコトヲ要ス

 A 保険証券ニハ左ノ事項ヲ記載シ保険者之ニ署名スルコトヲ要ス

 1 保険ノ目的

 2 保険者ノ負担シタル危険

 3 保険価額ヲ定メタルトキハ其価額

 4 保険金額

 5 保険料及ヒ其支払ノ方法

 6 保険期間ヲ定メタルトキハ其始期及ヒ終

 7 保険契約者ノ氏名又ハ商号

 8 保険契約ノ年月日

 9 保険証券ノ作成地及ヒ其作成ノ年月日
「@ 保険者は、保険契約者の請求により保険証券を交付しなければならない。

A 保険者は、保険証券に次の1から9のことを記載し、署名しなければならない。

1 保険の目的(保険をかけることができるもの)
2 保険者がどんな事故から損害をおぎなうか
3 保険価額を決めたときは、その保険価額
4 保険金額(支払われる保険金の最高額)
5 保険料およびその支払い方法
6 保険期間を定めたときは、その開始と終了の年月日
7 保険契約者の名前または商号
8 保険契約の年月日
9 保険証券を作成した場所および作成年月日」

保険証券は保険契約者の請求によって交付される。つまり、保険契約が結ばれているかいないかは、保険証券とは無関係である。当事者同士で紛争が起こったとき、保険証券は立証を容易にするためのもので、他の証拠により立証することもできる。

実際的には、保険証券の交付はされるのが普通であり、そこに約款などが記載されている。その約款は読んだか読んでいないか、知っているか知っていないかに関わらず、効力がある。
第650条 【保険の目的の譲渡】

 @ 被保険者カ保険ノ目的ヲ譲渡シタルトキハ同時ニ保険契約ニ因リテ生シタル権利ヲ譲渡シタルモノト推定ス

 A 前項ノ場合ニ於テ保険ノ目的ノ譲渡カ著シク危険ヲ変更又ハ増加シタルトキハ保険契約ハ其効力ヲ失フ
「@ 被保険者が保険の目的(保険をかけたもの)を譲渡したときは、それと同時に、保険契約から生じる権利も譲渡したものと推定される。

A 保険の目的(保険をかけたもの)を譲渡したことにより、著しく保険事故の起こる状態が変わったり、事故が起こる可能性が高くなったりした場合、保険契約は効力を失う。」

@は被保険者と譲渡された者の利便性を考えての規定である。Aは、保険者と譲渡された者とは全く関係がないための規定である。

第656条も参照。
第651条 【保険者の破産手続き開始の決定】

 @ 保険者カ破産手続開始ノ決定ヲ受ケタルトキハ保険契約者ハ契約ノ解除ヲ為スコトヲ得但其解除ハ将来ニ向テノミ其効力ヲ生ス

 A 前項ノ規定ニ依リテ解除ヲ為ササル保険契約ハ破産手続開始ノ決定ノ後三个月ヲ経過シタルトキハ其効力ヲ失フ
「@ 保険者が破産手続き開始の決定を受けたときは、保険契約者は契約の解除をすることができる。ただし、その解除は将来効である。

A @の規定により解除をしなかった保険契約は、破産手続き開始の決定後3ヶ月経過すると、その効力を失う。」

本条は保険者(つまり、保険会社のこと)の破産手続き開始の決定があった場合の規定である。

保険のような双務契約の一般原則では、管財人に対し、契約者は相当の期間を定めて、期間内に契約の解除か債務履行のいずれかをなすように求めることができ、答えのないときは、解除したものとされる。

しかし、保険の場合、保険契約者はすぐにでも別の保険者と保険契約を結んで財産の安全性を確保したいと思うのが普通であるため、本条によりすぐに解除できるものとしている。

Aは、保険契約者が保険者の破産手続き開始の決定を知らなかったような場合の規定である。このような場合、実際に、事故が発生しても保険金が支払われるかどうか不明であり、保険契約をそのまま存続させておけば保険契約者が不都合をこうむる可能性があるためである。そのため、破産手続き開始の決定から3ヶ月たつと、保険契約は効力を失うとされている。
第652条 【保険契約者の破産手続き開始の決定】

 他人ノ為メニ保険契約ヲ為シタル場合ニ於テ保険契約者カ破産手続開始ノ決定ヲ受ケタルトキハ保険者ハ被保険者ニ対シテ保険料ヲ請求スルコトヲ得但被保険者カ其権利ヲ抛棄シタルトキハ此限ニ在ラス
「第三者のために保険契約をした場合において、保険契約者が破産手続き開始の決定を受けたときは、保険者は被保険者に対して、保険料を請求することができる。ただし、被保険者が保険契約上の権利を放棄したときは、保険料を請求することはできない。」

本条は前条とは違い、保険契約者が破産手続き開始の決定を受けた場合についての規定である。

第651条 第652条
破産手続き開始の決定を受けた者 保険者(保険会社) 保険契約者
法律上の効果 保険契約者は契約を解除することができる。解除しなくても、破産手続き開始の決定から3ヶ月たつと、保険契約は効力を失う。 保険者は、被保険者に対して保険料の請求をすることができる。被保険者が権利を放棄すれば、保険料の請求はできない。
第653条 【保険契約者からの解除】

 保険者ノ責任カ始マル前ニ於テハ保険契約者ハ契約ノ全部又ハ一部ノ解除ヲ為スコトヲ得
「保険契約者は、保険期間がはじまる前であれば、契約の全部または一部を解除することができる。」

保険契約を結ぶと、ある期間からある期間まで保険事故をカバーすることができるが、このカバーされる期間のことを保険期間という。この期間の開始前であれば、保険契約者は契約を解除できるとしたのが本条である。

一度契約した以上、自由に解除できないのが普通であるが、保険期間の開始前であれば、保険者にとって損害は小さいため許されている。解除があった場合、民法第545条第1項の原状回復義務に従い、保険者は受け取った保険料の返還をする義務を負う。
第654条 【保険期間前の危険の消失】

 保険者ノ責任カ始マル前ニ於テ保険契約者又ハ被保険者ノ行為ニ因ラスシテ保険ノ目的ノ全部又ハ一部ニ付キ保険者ノ負担ニ帰スヘキ危険カ生セサルニ至リタルトキハ保険者ハ保険料ノ全部又ハ一部ヲ返還スルコトヲ要ス
「保険期間がはじまる前に、保険の目的(保険をかけたもの)の全部または一部について危険が発生しないことが確定したときは(確定する原因は保険契約者または被保険者の行為であってはならない)、保険者は保険料の全部または一部を返還しなければならない。」

保険契約とは、保険事故によって生じる損害をおぎなうためのものである。その保険事故がもう起こらないと確定した場合、保険をかける意味自体なくなるため、本条が規定されている。ある物に保険をかけたが、保険期間がはじまる前に、壊れてしまったなどの場合である。保険者は何も危険をカバーしていないため、保険料を受け取ることはできない。

実際、保険期間がはじまった後に、同様のことが起こった場合、契約が失効するのは同じだが、カバーされた期間分の保険料は返還する必要がないとされている。
第655条 【手数料】

 前二条ノ場合ニ於テハ保険者ハ其返還スヘキ保険料ノ半額ニ相当スル金額ヲ請求スルコトヲ得
「第653条と第654条の場合、保険者は返還しなければならない保険料のうちの半分を請求することができる。」

第653条と第654条では保険契約の解除が規定されており、保険料を返還しなければならないとされているが、一度結んだ契約を解除すると、契約を結ぶまでにいたる保険者のコストなどが無駄になるため、本条の規定がある。つまり、手数料名目で返還すべき保険料の半分までは、返還しなくても良いということである。
第656条 【保険契約者または被保険者が原因で危険が変化した場合】

 保険期間中危険カ保険契約者又ハ被保険者ノ責ニ帰スヘキ事由ニ因リテ著シク変更又ハ増加シタルトキハ保険契約ハ其効力ヲ失フ
「保険期間中、保険の目的(保険をかけたもの)の危険が著しく変わったり増加したときは(変わったり増加する原因が、保険契約者または被保険者にある場合)、保険契約はその効力を失う。」

本条は危険が変化する原因が、保険契約者または被保険者にある場合の規定である。
第657条 【保険契約者以外の責任で危険が変化した場合】

 @ 保険期間中危険カ保険契約者又ハ被保険者ノ責ニ帰スヘカラサル事由ニ因リテ著シク変更又ハ増加シタルトキハ保険者ハ契約ノ解除ヲ為スコトヲ得但其解除ハ将来ニ向テノミ其効力ヲ生ス

 A 前項ノ場合ニ於テ保険契約者又ハ被保険者カ危険ノ著シク変更又ハ増加シタルコトヲ知リタルトキハ遅滞ナク之ヲ保険者ニ通知スルコトヲ要ス若シ其通知ヲ怠リタルトキハ保険者ハ危険ノ変更又ハ増加ノ時ヨリ保険契約カ其効力ヲ失ヒタルモノト看做スコトヲ得

 B 保険者カ前項ノ通知ヲ受ケ又ハ危険ノ変更若クハ増加ヲ知リタル後遅滞ナク契約ノ解除ヲ為ササルトキハ其契約ヲ承認シタルモノト看做ス
「@ 保険期間中、保険の目的(保険をかけたもの)の危険が著しく変わったり増加したときは(変わったり増加する原因が、保険契約者または被保険者にない場合)、保険者は契約を解除することができる。その解除の効力は、将来効である。

A @の場合において、保険契約者または被保険者が保険の目的(保険をかけたもの)の危険が著しく変わったり増加したのを知ったときは、すぐに保険者に知らせなければならない。もし、知らせるのを怠ったときは、保険者は、保険の目的(保険をかけたもの)の危険が著しく変わったり増加したときから契約が効力を失ったものとみなすことができる。

B 保険者が、Aの知らせを受けたり、または、保険の目的(保険をかけたもの)の危険が著しく変わったり増加したのを知ったりした後に、すぐに契約の解除をしなかったときは、その契約を承認したものとみなす。」

保険者は、保険契約を結ぶときにわかっている危険をもとに、保険料を受け取り、支払う保険金額を算出する。そのため、契約以後に、その危険が大幅に変更となったり、増したときには、契約の効力を認める根拠が失われることとなる。ただし、危険が変更になったからといって、契約の効力が失われるのでは保険契約者にとって酷なため、著しくという条件がある。

第656条と第657条の違いは以下の表を参照。
危険が変更されたり増加した場合
条文 保険契約者または
被保険者の責任
通知 説明
第656条 有り 誰も、何もしなくても、
その効力を失う
第657条 無し 保険契約者または、
被保険者が
通知した場合
保険者は契約を解除することができる
保険契約者または、
被保険者が
通知しなかった場合
危険が変更または増加したときに、その効力を失う
※第657条の場合は、どちらの場合でも、結局のところ、契約の効力は失われるということである。
第658条 【損害発生通知義務】

 保険者ノ負担シタル危険ノ発生ニ因リテ損害カ生シタル場合ニ於テ保険契約者又ハ被保険者カ其損害ノ生シタルコトヲ知リタルトキハ遅滞ナク保険者ニ対シテ其通知ヲ発スルコトヲ要ス
「保険をかけたものに危険が発生し損害が生じた場合、保険契約者または被保険者がそれを知ったときは、すぐに保険者にそのことを知らせなければならない。」

本条の規定に違反して、すぐに知らせなかった場合について、商法には何も規定されていない。しかし、債務不履行の一般原則に従い、知らせなかったことによって保険者がこうむった損害があれば、それを支払わなければならないと考えられている。

また、約款によっては、すぐに知らせなかった場合は、保険金を支払わないとするものもあるが、このような約款規定は無効であると考えられている。
第659条 【損害発生後に別の損害が発生した場合】

 保険ノ目的ニ付キ保険者ノ負担スヘキ損害カ生シタルトキハ其後ニ至リ其目的カ保険者ノ負担セサル危険ノ発生ニ因リテ滅失シタルトキト雖モ保険者ハ其損害ヲ填補スル責ヲ免ルルコトヲ得ス
「保険をかけたものに危険が発生し損害が生じた場合、その後に、保険者が負担しない危険が発生し保険をかけたものが滅失してしまったときでも、保険者は最初に生じた損害について保険金を支払う責任を負う。」

1回目の損害は保険契約でカバーされるタイプの損害で、2回目の損害はカバーされないタイプの損害だった場合についての規定である。このような場合、保険者は2回目の損害に責任を押し付けて責任を逃れることはできず、1回目の損害についての保険金を支払わなければならないということである。
第660条 【損害防止義務】

 @ 被保険者ハ損害ノ防止ヲ力ムルコトヲ要ス但之カ為メニ必要又ハ有益ナリシ費用及ヒ填補額カ保険金額ニ超過スルトキト雖モ保険者之ヲ負担ス

 A 第六百三十六条ノ規定ハ前項但書ノ場合ニ之ヲ準用ス
「@ 保険事故が発生したとき、被保険者は損害を防ぐための努力をしなければならない。ただし、損害を防ぐために必要または有益だった費用と保険金額の合計額が保険金額よりも多くなったとしても、保険者は支払わなければならない。

A 第636条の規定は、@の後半部分について準用する。」

被保険者の損害防止の努力は、支払う保険金の額を減らすことにつながり、保険者の利益となるため、その費用は保険者が支払うこととなっている。

被保険者は一般信義則上の義務として、損害防止義務を負う。これは第644条の告知義務とは異なり、この義務の履行をもって保険者の責任発生の前提条件というわけではない。怠った場合には、債務不履行の一般原則に従い、怠ったことにより保険者が受けた損害を、支払うべき保険金から減額できるものである。

Aは、損害を防ぐための費用の支払いにおいて、保険価額の一部についてだけ保険がかけられた場合、保険者の負担は保険金額の保険価額に対する割合により決まるということである。
第661条 【保険代位】

 保険ノ目的ノ全部カ滅失シタル場合ニ於テ保険者カ保険金額ノ全部ヲ支払ヒタルトキハ被保険者カ其目的ニ付キ有セル権利ヲ取得ス但保険価額ノ一部ヲ保険ニ付シタル場合ニ於テハ保険者ノ権利ハ保険金額ノ保険価額ニ対スル割合ニ依リテ之ヲ定ム
「保険の目的(保険をかけた物)の全部が滅失した場合、保険者が保険金の全額を支払ったとき、保険者は被保険者が保険の目的について持っていた権利を取得する。ただし、保険価額の一部についてだけ保険がかけられた場合、保険者の権利は保険金額の保険価額の割合で決められる。」

何かが壊れて本来の用途では使用できなくなったとしても、別の用途では若干の価値が残っている場合などがある。このような場合、保険者が保険金の全額を被保険者に支払っていたのであれば、保険者は権利を取得して、別の用途のために利用することができる。
第662条 【保険代位】

 @ 損害カ第三者ノ行為ニ因リテ生シタル場合ニ於テ保険者カ被保険者ニ対シ其負担額ヲ支払ヒタルトキハ其支払ヒタル金額ノ限度ニ於テ保険契約者又ハ被保険者カ第三者ニ対シテ有セル権利ヲ取得ス

 A 保険者カ被保険者ニ対シ其負担額ノ一部ヲ支払ヒタルトキハ保険契約者又ハ被保険者ノ権利ヲ害セサル範囲内ニ於テノミ前項ニ定メタル権利ヲ行フコトヲ得
「@ 損害が第三者の行為によって生じた場合、保険者が被保険者に保険金を支払ったときは、その支払った金額を限度として、保険者は保険契約者または被保険者が第三者に対して持っていた権利を取得する。

A 保険者が被保険者に対して保険金の一部だけを支払ったときは、保険契約者または被保険者の権利を害しない範囲内において、@の権利を行うことができる。」

第三者の行為によって損害が発生した場合、損害を受けた被保険者は第三者に対して損害賠償の請求をすることができるし、保険者に対して保険金の支払いを要求することもできる。もし、保険金を支払ってもらった場合、それで損害がなくなることになり、第三者への損害賠償請求権は消滅することとなる。しかし、それで損害を発生させた第三者の責任が消滅してしまうことになるのは、正義の面からみて不当なため、保険者が被保険者の損害賠償請求権を取得できるとしたのが、本条の規定である。
第663条 【消滅時効】

 保険金額支払ノ義務及ヒ保険料返還ノ義務ハ二年保険料支払ノ義務ハ一年ヲ経過シタルトキハ時効ニ因リテ消滅ス
「保険者の保険金支払いと保険料返還の義務は2年、保険契約者の保険料支払い義務は1年で、時効によって消滅する。」

本条をまとめると以下の表のようになる。
名前 義務 消滅時効
保険者 ・保険金支払い
・保険料返還
2年
保険契約者 ・保険料支払い 1年
第664条 【相互保険】

 本節ノ規定ハ相互保険ニ之ヲ準用ス但其性質カ之ヲ許ササルトキハ此限ニ在ラス
「本節の規定は、相互保険にも準用する。ただし、その性質上、同じ扱いをできない場合は、準用されない。」

本節の規定は、保険の構造そのものの規定が多いため、相互保険にも準用することができる。
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