商法 条文 商法 解説
第2編 商行為

第10章 保険

第2節 生命保険
生命保険とは人の生死を保険事故とする保険である。諾成契約、有償契約、双務契約、射倖契約である。

本節の条文を読んでいくときに、被保険者と保険金受取人の部分で混乱することがある。第1節の損害保険の項目では、被保険者は、保険者から保険金を受け取る者という意味合いであった。本節の生命保険の部分では、被保険者は保険をかけられている者で、保険金を受け取る者は別におり、保険金受取人となっている。
第673条 【生命保険契約とは】

 生命保険契約ハ当事者ノ一方カ相手方又ハ第三者ノ生死ニ関シ一定ノ金額ヲ支払フヘキコトヲ約シ相手方カ之ニ其報酬ヲ与フルコトヲ約スルニ因リテ其効力ヲ生ス
「生命保険契約は、当事者の一方(保険者)が、相手方(保険契約者)または第三者(被保険者)の生死に関して、一定の金額(保険金)を支払うことを約束し、相手方がこれに対して報酬(保険料)を支払うことを約束することによって効力が生じる。」

生命保険契約は、一定の金額の支払いを内容とするため、定額保険と呼ばれる。損害保険の場合は、現実に支払われる金額を契約時に決めることはできず、この点、両者は異なっている。

また、生命保険契約は人の生死を保険事故とする。次のようなものがある。
生命保険の種類
種類 保険事故
生存保険 生存
死亡保険 死亡
養老保険(混合保険) 生存と死亡の両方
第674条 【他人の死亡に対する保険】

 @ 他人ノ死亡ニ因リテ保険金額ノ支払ヲ為スヘキコトヲ定ムル保険契約ニハ其者ノ同意アルコトヲ要ス但被保険者カ保険金額ヲ受取ルヘキ者ナルトキハ此限ニ在ラス

 A 前項ノ保険契約ニ因リテ生シタル権利ノ譲渡ニハ被保険者ノ同意アルコトヲ要ス

 B 保険契約者カ被保険者ナル場合ニ於テ保険金額ヲ受取ルヘキ者カ其権利ヲ譲渡ストキ又ハ第一項但書ノ場合ニ於テ権利ヲ譲受ケタル者カ更ニ之ヲ譲渡ストキ亦同シ
「@ 保険契約者以外の第三者の死亡によって保険金が支払われる保険契約は、その第三者の同意が必要である。ただし、被保険者自身が保険金を受け取る契約であるなら、同意は必要ない。

A @の場合、保険金受取人がその契約から生じる権利を他人に譲渡するには、被保険者の同意が必要である。

B 保険契約者が被保険者である場合に保険金受取人がその権利を他人に譲渡するとき、または、被保険者自身が保険金を受け取る場合は、被保険者から保険金受取人の権利を譲渡された者が、その権利をさらに他人に譲渡するときにも被保険者の同意が必要である。」


生命保険契約には、以下の表のように2種類ある。
生命保険契約
種類 説明
自己の生命の保険契約 保険契約者自身を被保険者として、その保険契約者の生死を保険事故とする。
他人の生命の保険契約 保険契約者以外の第三者を被保険者として、その第三者の生死を保険事故とする。


本条では、他人の生命の保険契約についての規定である。他人の生死を保険事故とする場合、これを無制限に認めると、他人の生死で賭博行為をしたり、保険金欲しさに他人に危害を加えるなどの危険があるため、保険をかけられた者の同意などが必要であるとしている。


本条を図にすると、以下の表のようになる。
第674条第1項
他人ノ死亡ニ因リテ保険金額ノ支払ヲ為スヘキコトヲ定ムル保険契約ニハ其者ノ同意アルコトヲ要ス
保険者
(保険金を支払う保険会社)
←保険契約→ 保険契約者
(保険契約をする者)
↑同意必要
被保険者
(保険をかけられている者)

被保険者カ保険金額ヲ受取ルヘキ者ナルトキハ此限ニ在ラス
保険者
(保険金を支払う保険会社)
←保険契約→ 保険契約者
(保険契約をする者)
↑同意不要
被保険者
(保険をかけられている者)
保険金受取人
(保険金を受け取る者)
※前半部分と後半の但し書き部分の2種類ある。


第674条第2項
前項ノ保険契約ニ因リテ生シタル権利ノ譲渡ニハ被保険者ノ同意アルコトヲ要ス
保険者
(保険金を支払う保険会社)
←保険契約→ 保険契約者
(保険契約をする者)
保険金受取人
(保険金を受け取る者)
↑同意必要 ↓権利譲渡
被保険者
(保険をかけられている者)

同意必要
譲受人
(保険金の権利を譲り受けた者)

保険者
(保険金を支払う保険会社)
←保険契約→ 保険契約者
(保険契約をする者)
保険金受取人
(保険金を受け取る者)
↑同意必要 ↓権利譲渡
被保険者
(保険をかけられている者)

同意必要
譲受人
(保険金の権利を譲り受けた者)
※保険契約者と保険金受取人が同一である場合と、保険契約者と保険金受取人が別人の場合がある。


第674条第3項
保険契約者カ被保険者ナル場合ニ於テ保険金額ヲ受取ルヘキ者カ其権利ヲ譲渡ストキ・・・・・・・亦同シ
保険者
(保険金を支払う保険会社)
←保険契約→ 保険契約者
(保険契約をする者)
被保険者
(保険をかけられている者)
↓同意必要
保険金受取人
(保険金を受け取る者)

権利譲渡
譲受人
(保険金の権利を譲り受けた者)

第一項但書ノ場合ニ於テ権利ヲ譲受ケタル者カ更ニ之ヲ譲渡ストキ亦同シ
保険者
(保険金を支払う保険会社)
←保険契約→ 保険契約者
(保険契約をする者)
↑同意不要
被保険者
(保険をかけられている者)
保険金受取人
(保険金を受け取る者)
↓同意必要 ↓権利譲渡
譲受人
(保険金の権利を譲り受けた者)

権利譲渡
譲受人
(保険金の権利を譲り受けた者)
※第674条は複雑な文章になっており、2種類ある。
第675条 【保険契約者の指定変更権の留保】

 @ 保険金額ヲ受取ルヘキ者カ第三者ナルトキハ其第三者ハ当然保険契約ノ利益ヲ享受ス但保険契約者カ別段ノ意思ヲ表示シタルトキハ其意思ニ従フ

 A 前項但書ノ規定ニ依リ保険契約者カ保険金額ヲ受取ルヘキ者ヲ指定又ハ変更スル権利ヲ有スル場合ニ於テ其権利ヲ行ハスシテ死亡シタルトキハ保険金額ヲ受取ルヘキ者ノ権利ハ之ニ因リテ確定ス
「@ 保険金を受け取る者(保険金受取人)が第三者であるときは、その第三者は保険契約による利益を当然に受け取る。ただし、保険契約者が別のことを決めたときはそれに従う。

A @のただし書きにより、保険契約者が保険金受取人を指定または変更する権利を留保しておくことを決めた場合、指定または変更する権利を行使しないまま死亡したときはすでに決められている保険金受取人の権利は確定する。」

本条は、他人のためにする保険契約についての規定である。民法においても、第三者のためにする契約というのがあり、両者を比較しながら説明したのが以下の表である。
商法 民法
条文 説明 条文 説明
第675条第1項前半 受益の意思表示などは必要なく、保険金受取人に指定された第三者は利益を当然に受け取ることができるとされている 第537条 第三者の権利は、第三者が債務者に対して、「契約の利益は自分が享受する」という意思表示をした時に、発生する。
第675条第1項但し書き

第675条第2項前半
保険契約者は保険金受取人を指定・変更する権利を留保しておくことができる。生命保険などは通常、長期間にわたるものであり、贈与原因に基づくことも多いためである。 第538条 第三者のためにする契約において、第三者の権利が発生した時は、契約の当事者は第三者の権利を変更したり消滅させたりすることはできない。つまり、第三者の権利は発生した時に、確定的なものである。
第675条第2項後半 保険事故発生前に、保険契約者が権利を行使しないまま死亡したときは、保険金受取人の権利は確定する。ただし、現実の保険約款では、相続人にも変更権が与えられている場合が多い。


民法については、第1節 総則 第521条〜第548条を参照。
第676条 【第三者である保険金受取人が死亡した場合】

 @ 保険金額ヲ受取ルヘキ者カ被保険者ニ非サル第三者ナル場合ニ於テ其者カ死亡シタルトキハ保険契約者ハ更ニ保険金額ヲ受取ルヘキ者ヲ指定スルコトヲ得

 A 保険契約者カ前項ニ定メタル権利ヲ行ハスシテ死亡シタルトキハ保険金額ヲ受取ルヘキ者ノ相続人ヲ以テ保険金額ヲ受取ルヘキ者トス
「@ 保険金受取人を被保険者ではない第三者にした場合、その第三者が死亡したときは、保険契約者は新たに保険金受取人を指定することができる。

A @の場合に、保険契約者自身も別の保険金受取人を決める前に死亡したときは、保険金受取人の相続人を保険金受取人とする。」

本条も前条と同じく、他人のためにする保険契約についての規定である。被保険者と保険金受取人が異なる場合に、被保険者に保険事故が発生する前に、保険金受取人や保険契約者のほうが先に死亡した場合についてどのように扱うかということを規定している。前条のものもあわせて、以下の表を参照。
現在            →             未来
第675条 保険契約成立 保険契約者の死亡 被保険者の死亡
保険金受取人の権利が確定
第676条 保険契約成立 保険金受取人の死亡 保険契約者の死亡 被保険者の死亡
この時点で、保険契約者は新たに保険金受取人を指定できる(第1項)。 保険金受取人の指定をしていなかった場合、保険金受取人の相続人を保険金受取人とする(第2項)。
※第676条の場合、保険契約者が死亡した場合、保険料支払い義務を負うのは保険契約者の相続人である。相続人と保険金受取人の関係は、死亡した保険契約者と保険金受取人の関係と同一ではないこともある。その為、現実の約款では、保険契約者の相続人が指定権を有すことにしている場合が多い。
第677条 【保険者への通知】

 @ 保険契約者カ契約後保険金額ヲ受取ルヘキ者ヲ指定又ハ変更シタルトキハ保険者ニ其指定又ハ変更ヲ通知スルニ非サレハ之ヲ以テ保険者ニ対抗スルコトヲ得ス

 A 第六百七十四条第一項ノ規定ハ前項ノ指定及ヒ変更ニ之ヲ準用ス
「@ 保険契約者が保険契約を結んだ後、保険金受取人を指定または変更したときは、保険者にそのことを知らせなければならない。知らせなかった場合は、指定または変更したということを保険者に主張することができない。

A 第674条第1項の規定は@の指定または変更について準用する。」

Aはつまり、他人を被保険者とする保険契約を結んだ後に、保険金受取人を指定または変更するときは、被保険者の同意が必要であるということである(ただし、被保険者が保険金受取人となる場合は同意は必要ない)。

第678条 【保険者の解除権】

 @ 保険契約ノ当時保険契約者又ハ被保険者カ悪意又ハ重大ナル過失ニ因リ重要ナル事実ヲ告ケス又ハ重要ナル事項ニ付キ不実ノ事ヲ告ケタルトキハ保険者ハ契約ノ解除ヲ為スコトヲ得但保険者カ其事実ヲ知リ又ハ過失ニ因リテ之ヲ知ラサリシトキハ此限ニ在ラス

 A 第六百四十四条第二項及ヒ第六百四十五条ノ規定ハ前項ノ場合ニ之ヲ準用ス
「@ 保険契約時に、保険契約者または被保険者がわざとまたは重大な過失により、重要な事実を知らせなかった、または、重要な事項についてウソをついたときは、保険者は保険契約を解除することができる。ただし、保険者がウソであることをわかっていたとき、または、過失によりわからなかったときは、契約を解除することはできない。

A 第644条第2項および第645条の規定は、@の場合に準用する。」

本条は基本的に、第644条の告知義務と同様である。

しかし、生命保険の場合、被保険者のことについては被保険者が一番よくわかっていることであるので、被保険者にも告知義務があるという点に違いがある(第644条の場合は、保険契約者だけである)。

また、生命保険の場合、告知義務の問題が医学的な面にあり、自分が病因を持っているかどうかは専門医の診断を受けなければならない。そのため、通常、保険契約を結ぶときには、保険者の委任した専門医の診査を受ける必要がある。
第679条 【生命保険証券】

 生命保険証券ニハ第六百四十九条第二項ニ掲ケタル事項ノ外左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス

 1 保険契約ノ種類
 2 被保険者ノ氏名
 3 保険金額ヲ受取ルヘキ者ヲ定メタルトキハ其者ノ氏名
「生命保険証券には、第649条第2項の事項と次の1と2と3の事項を記載する。

1 保険契約の種類
2 被保険者の名前
3 保険金受取人を決めたときはその名前」

本条をまとめると以下の表になる。
条文 内容
第649条第2項 1 保険の目的(保険をかけることができるもの)
2 保険者がどんな事故から損害をおぎなうか
3 保険価額を決めたときは、その保険価額
4 保険金額(支払われる保険金の最高額)
5 保険料およびその支払い方法
6 保険期間を定めたときは、その開始と終了の年月日
7 保険契約者の名前または商号
8 保険契約の年月日
9 保険証券を作成した場所および作成年月日」
第679条(本条) 1 保険契約の種類
2 被保険者の名前
3 保険金受取人を決めたときはその名前
※第649条第2項の、「1 保険の目的」と「 3 保険価額を決めたときは、その保険価額」は、生命保険では問題とはならない。
第680条 【保険金を支払う必要がない場合】

 @ 左ノ場合ニ於テハ保険者ハ保険金額ヲ支払フ責ニ任セス

 1 被保険者カ自殺、決闘其他ノ犯罪又ハ死刑ノ執行ニ因リテ死亡シタルトキ

 2 保険金額ヲ受取ルヘキ者カ故意ニテ被保険者ヲ死ニ致シタルトキ但其者カ保険金額ノ一部ヲ受取ルヘキ場合ニ於テハ保険者ハ其残額ヲ支払フ責ヲ免ルルコトヲ得ス

 3 保険契約者カ故意ニテ被保険者ヲ死ニ致シタルトキ

 A 前項第一号及ヒ第二号ノ場合ニ於テハ保険者ハ被保険者ノ為メニ積立テタル金額ヲ保険契約者ニ払戻スコトヲ要ス
「@ 次の1から3の場合において、保険者は保険金を支払う責任はない。

1 被保険者が自殺、決闘その他の犯罪、死刑執行によって死亡したとき。
2 保険金受取人が、故意に被保険者を死亡させたとき。ただし、保険金受取人が保険金の一部だけを受け取る場合、他の保険金受取人に対して残りの部分について支払わなければならない。
3 保険契約者が故意に被保険者を死亡させたとき。

A @の1と2の場合において、保険者は被保険者のために積み立てた金額を保険契約者に払い戻さなければならない。」

生命保険の場合、原則的には、どのような事由による保険事故についても支払わなければならない。しかし、公序良俗的、保険制度的に保険金を支払うことが妥当ではない場合もあり、本条に記載されていることがそれにあたる。

原因 説明
自殺 精神障害や心神喪失中の場合は、自殺には含まれない。また、保険約款において、保険契約後何年かたった場合は保険事故とされ保険金が支払われる場合もある。
決闘 公共の秩序維持の観点から保険事故とはならない。保険約款の中には、犯罪による死亡は、犯罪者だけが制裁を受ければ足りるとし、遺族には保険金が支払われるとしているものもある。
その他の犯罪
死刑執行
保険金受取人が、故意に被保険者を死亡させたとき 直接実行していなくても、教唆や幇助の場合も含む。
第681条 【被保険者が死亡したとき】

 保険契約者又ハ保険金額ヲ受取ルヘキ者カ被保険者ノ死亡シタルコトヲ知リタルトキハ遅滞ナク保険者ニ対シテ其通知ヲ発スルコトヲ要ス
「保険契約者または保険金受取人が、被保険者が死亡したことを知ったときは、すぐに保険者に対して知らせなければならない。」

第682条 【積立金払い戻し義務】

 被保険者ノ為メニ積立テタル金額ヲ払戻ス義務ハ二年ヲ経過シタルトキハ時効ニ因リテ消滅ス
「被保険者のために積み立てた金額を払い戻す義務は、2年たつと時効により消滅する。」

本条は保険者の支払い義務の時効についての規定である。第680条の規定のように、不当利得とならないために、払い戻さなくてはならない。
保険者が保険金支払い義務を負わなくなる場合
第680条第1項1号 被保険者が自殺、決闘その他の犯罪、死刑執行によって死亡したとき。
第680条第1項2号 保険金受取人が、故意に被保険者を死亡させたとき。ただし、保険金受取人が保険金の一部だけを受け取る場合、他の保険金受取人に対して残りの部分について支払わなければならない。
第640条 戦争、事変、内乱などによって生じた損害の場合、保険者は保険金を支払う責任はない。ただし、特約などでそのような場合でも支払うとされている場合は別である。
第651条 「@ 保険者が破産手続き開始の決定を受けたときは、保険契約者は契約の解除をすることができる。ただし、その解除は将来効である。

A @の規定により解除をしなかった保険契約は、破産手続き開始の決定後3ヶ月経過すると、その効力を失う。
第653条 保険契約者は、保険期間がはじまる前であれば、契約の全部または一部を解除することができる。
第656条 保険期間中、保険の目的(保険をかけたもの)の危険が著しく変わったり増加したときは(変わったり増加する原因が、保険契約者または被保険者にある場合)、保険契約はその効力を失う。
第657条 @ 保険期間中、保険の目的(保険をかけたもの)の危険が著しく変わったり増加したときは(変わったり増加する原因が、保険契約者または被保険者にない場合)、保険者は契約を解除することができる。その解除の効力は、将来効である。

A @の場合において、保険契約者または被保険者が保険の目的(保険をかけたもの)の危険が著しく変わったり増加したのを知ったときは、すぐに保険者に知らせなければならない。もし、知らせるのを怠ったときは、保険者は、保険の目的(保険をかけたもの)の危険が著しく変わったり増加したときから契約が効力を失ったものとみなすことができる。

B 保険者が、Aの知らせを受けたり、または、保険の目的(保険をかけたもの)の危険が著しく変わったり増加したのを知ったりした後に、すぐに契約の解除をしなかったときは、その契約を承認したものとみなす。
第683条 【損害保険の準用】

 @ 第六百四十条、第六百四十二条、第六百四十三条、第六百四十六条、第六百四十七条、第六百四十九条第一項、第六百五十一条乃至第六百五十三条、第六百五十六条、第六百五十七条、第六百六十三条及ヒ第六百六十四条ノ規定ハ生命保険ニ之ヲ準用ス

 A 第六百四十条、第六百五十一条、第六百五十三条、第六百五十六条及ヒ第六百五十七条ノ場合ニ於テ保険者カ保険金額ヲ支払フコトヲ要セサルトキハ被保険者ノ為メニ積立テタル金額ヲ保険契約者ニ払戻スコトヲ要ス
「@ 第640条、第642条、第643条、第646条、第647条、第649条第1項、第651条から第653条、第656条、第657条、第663条、第664条の規定は、生命保険について準用する。

A 第640条、第651条、第653条、第656条、第657条の場合において、保険者が保険金を支払う必要がないときは、被保険者のために積み立てた金額を保険契約者に払い戻さなければならない。」


条文については、以下を参照。
第1節 損害保険 第1款 総則 第629条〜第664条
第1節 損害保険 第2款 火災保険 第665条〜第668条

準用する場合には、条文中の被保険者となっている部分は、保険金受取人に読み替える必要がある。また、第656条と第657条については、実際的には、約款で適用されないことになっている場合が多い。
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